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久世光彦「百先生 月を踏む」

2013年03月14日 | か行の作家

 

朝日新聞社

2006年4月 第1刷発行

解説・坪内祐三

224頁(未完)

 

 

第一章      金魚鉢

第二章      大尉の娘

第三章      蜜月

第四章      青髪

第五章      森閑

 

著者の急逝により第五章は未完のまま掲載されています

 

百先生について書かれたものではなく

作中に登場する百先生が書いた小説と小坊主・果林の見た百先生の少々変梃りんな日常生活を描いています

 

「金魚鉢」という掌編から始まります

が、まさか久世さんが書いたものとは思わず、てっきり百先生の作品を引用しているのかと思ったくらい

百先生の世界を再現していて驚きました

 

百先生の日常は事実とは違う設定になっています

昭和25年、一年半ほど前から小田原の寺の仏具小屋に棲みついた百先生

先生の世話をする子坊主の果林、わずか15歳で百先生と一緒に数里の道を歩いて女を買いに行くし、鋭い観察力と洞察力で時に百先生を慌てさせ、禅問答のような会話から百先生の心理をちゃんと読み取る

侮れない男子です

ちなみに物語の中の果林と久世さんはまったく同い年なのだそうです

久世さんは果林の目を通して自らの百先生像を描いたのでしょうか

 

 

古書店でタイトル買いしましたが、これは掘り出し物でした

 

 


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