メディアファクトリー
2011年5月 初版第1刷発行
2011年9月 第4刷発行
254頁
ノンフィクション作家の第一人者が自らの不思議体験を綴る怪談実話エッセイ
ノンフィクションを書くなら絶対に嘘を書いてはいけない
とにかく真実を書くという気持ちで事実を救い上げる
盗作をしてはいけない
これを基本として幼い頃からの不思議体験を文章にしたのが本書です
ご本人は自分は鈍感で霊感が無いと言いながら自分は怪奇現象に遭遇しやすい体質ではないか、とも考える
死者の放つ残存生体エネルギーをキャッチする能力を持っているらしく火の玉(オレンジ色)を見たりホテルや病院、街角で既に亡くなっている人を見かけたりする
鏡台に人影が映る
夜中に笛の音を聞く
日時に関係なく坂道をボールをつきながら一人遊ぶ少女を見る
大震災の後、津波で行方不明になっている知り合いの姿を東京で見かける
工藤さんだけでなくお手伝いさんや兄、夫も時々これら不思議体験をするのがまた「不思議」
工藤さんが何かを呼び込むのでしょうか
最も印象的だったのは三島由紀夫の自害と川端康成の自殺の章
う~ん、ありかなぁ
ありと思えばあり、なのかなぁ
母親から、幼い頃火の玉を見たことがある、と聞かされています
祖母(私からしたら曾祖母)と夜道を歩いていて、何かの気配を感じて屋根の上を見たら青白い火の玉がユラユラとついてきていた
母親が気がついたのがわかった祖母は「見てはいけない」ときつく言ったそうです
母親は、先からわかっていて平静を装っていた曾祖母の「胆」に感心すると同時に、その頃はよくある話だった、とも語っていました
青白いのなら燐の発光現象だったのかもしれません
私自身も不思議体験はあります
不思議体験だったのかな~、という程度のものもあります
まえがきに
忙しい現代社会に生きている人々の八割以上がなんらかの形で「彼ら」と出会ったことがあるのではないだろうか
とあります
なんとなく、そうだったのかも?と思いつつ流してしまっていることも多いのかもしれませんね
工藤さんの不思議体験の話から
死後とか霊とかよりも、生きている間に人とどう関わるか、ということを考えました
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