読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

北重人「汐のなごり」

2008年10月29日 | か行の作家
短編集
出羽国・水潟(架空の湊町)
現在の山形県酒田市が舞台
時代小説です

ひたすら想う人を待ち続ける元遊女
→遊女であっても身請けされ囲われていても好きな人を心の支えに生きる女性

飢饉で村を捨て生き別れになった兄弟の50年ぶりの再会
→兄弟が何を食べて生きながらえたのか、涙をさそう

兄の敵討ちの為30年間諸国を放浪の後、故郷に戻った絵師
→自分の30年が何の為にあったのか、政争に巻き込まれる理不尽

孫の顔に、結核で死んだ弟を重ね合わせる隠居
→過去を悔いる心が漣を起こす

恋に狂った娘と店を救う為に苦心する母
→少々オカルトっぽい面白さが意外な一編

激しく上下する米相場の息詰まる売り買い
→今の株式相場みたい!


どの話も、心にじんときます
人の心に訴えかける言葉、義理、人情、親子・兄弟の情愛
しかし
自分が時代小説を数多く読まないからか
短編だからか
全体に『軽い』という印象です

良いのですが
残念という気持ちが拭えませんでした


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 堀江敏幸「河岸忘日抄」 | トップ | 佐野洋子「100万回生きたねこ」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
書き込みありがとうございました (todo23)
2022-07-10 15:15:40
北重人さん、残された作品が少なく、本当に残念でした。
長生きされたら、藤沢さんとも違う良い話をたくさん書かれたのではないかと思います。

私のHPの北さんのページです。
(『汐のなごり』ももうすぐこの中に入ってきます。)http://todo23.g1.xrea.com/book/wj_kitas.html
返信する
todo23さん (こに)
2022-07-11 08:03:11
本当ですよね~。
北重人さんを読んでいる方に滅多にお目にかかれないのでtodo23さんとお話が出来て嬉しいです。
HP、またお邪魔しますね♪
返信する

コメントを投稿

か行の作家」カテゴリの最新記事