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中山可穂「天使の骨」

2009年11月09日 | な行の作家
「猫背の王子」の続編
自分が主宰する劇団と戦友とも言えるトオルを失った王寺ミチル
生きる気力さえをも失ったミチルは、芝居から逃げようとヨーロッパへ長い長いあてのない旅に出る
彼女の眼にははぼろぼろの羽を持った天使たちが映る
死を考えるたび、ミチルが死に近づくたび天使の数が増えていく

ヨーロッパの国々で出会う人々

「気をつけて生きていきな。転んだら起き上がれ。疲れたら休め。死ぬんじゃないよ」
死ぬもんか、とわたしは思った。死んでたまるか、と強く強く思った。

死屍は累々と行く手に横たわっている。その孤独な巡礼の、果てしの無い長い夜を思うと、わたしの胸は疲れからではなく悲しみのためにきりきりと痛んだ。そのとき、わたしは自分がなぜ旅をしているのかがわかったような気がした。誰かに赦してもらいたいからだった。

ポルトガルで3年ぶりに戯曲を書き上げたミチル

気付いたら天使の姿は消えていた


ミチルは日本に帰るのか
帰って再びトオルと劇団を立ち上げるのか
それとも、パリで出会った久美子と暮らすのか

続きがあるのなら是非読みたい
けれど
ここでお終いにしても構わない

そんな充足感が残りました


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