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吉本ばなな「キッチン」

2014年05月03日 | や・ら・わ行の作家

 

福武文庫
1991年10月 第1刷発行
解説・曾根博義
226頁

 

1987年、22歳のとき日本大学芸術学部文芸学科の卒業制作作品で芸術学部長賞を受賞した「ムーンライト・シャドウ」
同じ年、第6回「海燕」新人文学賞を受賞した「キッチン」
翌年発表の「キッチン」の続編「満月」

 

これら3作が収録されています

どうして発表された当時に読まなかったのでしょう
悔やまれます

でも、発表から25年近くも経っている今読んでも全然古臭さも感じない
それは、この短編集のテーマが時間や時代を超越した『人』を描いたものだからでしょうか

 

若くして身内や恋人を失い喪失感を持ってしまった登場人物たちの再生の物語
主人公の女の子たちが、切なくて可愛らしくて愛おしいです
喪失感に囚われた若者たちが再び新たな歩みを始めるには悲しみを共有できる別の人の存在が欠かせません

人は決して一人ぼっちではない
きっと誰かとどこかで繋がっている

 

人の温かさと優しさがじんわりと伝わってきます

感受性豊かな小説を読むとこちらの心も潤うようでなんとも心地良い読後感に包まれるものです

 

他の作品もぼちぼち読んでいきましょう

 

現在は筆名・よしもとばななさんですが発表当時は吉本ばななさんでしたので『吉本』で通しました

 

 

 


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