新潮文庫
2001年11月 発行
2015年5月 31刷
解説・安西篤子
302頁
異国船が日本近海に姿を現し始めた幕末天保年間
江戸の町に、極め付きのワルだが憎めぬ連中がいた
博打好きの御家人・片岡直次郎
辻斬りで財布を奪う金子市之丞
抜け荷の常習犯・森田屋清蔵
元料理人の悪党・丑松
ゆすりの大名人として知られた河内山宗俊
吉原の花魁・三千歳
ひょんなきっかけで知り合った彼らが大胆にも挑んだ悪事とは…
世話講談「天保六花撰」に材を得た痛快無比の連作長編
片岡直次郎の「蚊喰鳥」
金子市之丞の「闇のつぶて」
森田屋清蔵の「赤い狐」
丑松の「泣き虫小僧」
三千歳の「三千歳たそがれ」
河内山宗俊の「悪党の秋」
藤沢さんには珍しい悪党を主人公とした異色作で
発表されたのは、ちょうど「蝉しぐれ」や「三屋清左衛門残日録」などの書かれた最も気力の充実した時期と重なるそうです
丹念に描かれている江戸の風景、四季の移り変わりと、どこか読者の共感を呼ぶ極悪人でありながら憎めない悪党たちの立ち回りにワクワク
合間合間に伊坂幸太郎さんを思い出したりしながら一気読みでした
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