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乃南アサ「嗤う闇 女刑事 音道貴子」

2016年05月24日 | な行の作家

 

新潮文庫
2006年11月 発行
解説・縄田一男
327頁

 

 

音道貴子の活躍を描くシリーズものの傑作短編4編収録

 

「その夜の二人」「残りの春」「木綿の部屋」「嗤う闇」

 

読むのが作品の発表順でないのがいけないのですが、ベテラン刑事・滝沢、玉城警部補、鑑識の薮内、などなど既知の面々が登場するのも嬉しい限りです

乃南さんの、季節やお天気、街並み、人物の外見の描写、また心理描写は、藤沢周平さんに通ずるものがあると思います
凶悪、醜悪、残虐な殺人事件を扱った作品ながら、すっと入り込めるのはそんなところもあるのでしょうか

 

 

「嗤」
字義・わらう、あざわらう、さげすみ笑う
解字・形声文字 口+蚩 音符の蚩は、笑い声の擬声語

 解字は漢字のなりたちについての説明です

 形声文字とは、複合文字で意符と音符からなるもののことです

 

タイトルに使われている漢字が
「笑」でなく「嗤」
見ただけでゾクリときます
欧米人には漢字は図形に見えるそうですが、普通に漢字を使っている私たちも『読む』より『見て』理解しているのですよね
使われる漢字の効果も凄い、と思った次第

 

 


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