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北重人「夏の椿」

2009年09月23日 | か行の作家
読みながら
松本清張の「かげろう絵図」がふと頭をよぎります
第十回松本清張賞最終候補に残った作品
なるほど

天明6年、江戸が大雨に襲われた日、萩山定次郎が何者かに斬殺された
叔父にあたる旗本の三男坊である立原周乃介は、定次郎の身辺を調べ直すうちに、とんでもない悪にたどりつく

天明の飢饉
今でいう地上げ屋の暗躍
米相場を操作し儲けを企む米穀商
田沼政治の終焉
一ツ橋家の策略
天明の江戸打ちこわし
などをストーリーに盛り込みつつ
事件の核心に近づくにつれ周乃介の周りで次々起きる不審な事件

楽しめる一冊でした


定次郎が身請けしようとしていた遊女・沙羅
沙羅のあまりに過酷な人生
幸せな暮らしに手が届きそうなところで儚く散ってしまう

沙羅双樹を夏の椿と呼ぶ、と作中にはありますが実は別物らしいですね
それでも、このタイトル「夏の椿」
いいんじゃないですか?


少し残念だったのは
佐伯丙内が定次郎を斬殺した張本人だろう
ということが想像出来てしまったこと
でも、あの弟だってことは判らなかったですが


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