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カルロス・ルイス・サフォン「天使のゲーム」

2013年06月22日 | 海外の作家

 

原題 El Juego del Angel

訳・木村裕美

集英社文庫

2012年7月 第1刷

上巻 433頁

下巻 376頁

 

 

世界的ベストセラー「風の影」に続く「忘れられた本の墓場」四部作の第二弾

スペイン語原書の初版発行部数が百万部

「風の影」と併せて全世界で二千万部を超えているそうです

 

前作が「忘れられた本の墓場」で見つけた一冊の本に深く感動した少年・ダニエルの「読む側」の物語だったのに対し、本作は作家・ダビッドの一人称で語られる「書く側」の物語です

 

1917年、スペイン・バルセロナ

新聞社で雑用係をしていたダビッド青年に、長年の夢であった短編を書くチャンスが訪れる

一年後、独立したダビッドは少年の頃から憧れていた旧市街に建つ曰くありげな“塔の館”に移り住み契約した出版社の仕事をこなし続けていた

しかし、本名を隠して発表し続けていた作品が真に自分が書きたいものではないことに苦痛を感じ始め、さらに体調を崩し余命僅かと宣告されてしまう

少年時代、戦争で心に痛手を受けた父親の読書に対する無理解と暴力から逃れ、唯一穏やかな心持で本を読ませてもらうことが出来たのが「センペーレと息子書店」で、書店主のセンペーレは成長するダビッドをずっと気にかけてくれていた

憔悴しきったダビッドを見かねたセンペーレは彼を「忘れられた本の墓場」へと案内する

そこで「不滅の光」という本に出会うのだが、その著者・ディエゴ・マルラスカこそ“塔の館”の以前の住人だったらしいのだ

マルラスカが不審な死に方をしていたことがわかり関係者を訪ね歩くうちに次々と殺人事件が起こりダビッドが最有力容疑者となってしまい、さらにマルラスカとダビッドに複数の共通点が見つかる

 

ダビッドを混乱に陥れる原因と思しき謎の編集者、アドレアス・コレッリとは一体何者なのか

ダビッドとコレッリの命がけのゲームの結果は?

 

ダビッドに大きく関わる二人の女性、クリスティーナとイサベッラの存在も見逃せません

 

バルセロナのゴシック地区を舞台にした正統派ゴシック・ロマンス

堪能させていただきました

 

 

本書のエピローグは「風の影」の冒頭に一致しふたつの物語を結んでいます

第三弾、第四弾とどのような展開を見せていくのか、今から楽しみです


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