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富山太佳夫「笑う大英帝国 文化としてのユーモア」

2012年04月09日 | 新書

 

岩波新書
2006年5月 第1刷発行
228頁


笑いと英国をこよなく愛する著者が18世紀から現代まで具体例をあげ、豊富な「笑いの文化遺産」の中に英国文化の本質を読み解く


イギリスのマスコミ、出版界による王室、政治家、芸能人などへの痛烈なからかいやギャク、諷刺には、毎度驚かされます
日本では考えられないくらい凄まじいものもありますね

18世紀から綿々と続く笑いの文化はローワン・アトキンソン演じる「ミスター・ビーン」にも引き継がれています
「大丈夫なのか?」と思いながら、笑いが止まりません
これでもイギリスの笑いの中では穏やかなほうなのだそうです

最近人気の執事とお嬢様の小説も、「ご主人様はアホですから」と言ってのけるイギリスの執事の伝統を取り込んだものですよね

国王、政治家、パロディ、聖書、戦争、ゲイetc
笑ってよいものかというくらい酷い例から、フフンと笑い流せる例まで、イギリスのユーモア満載
著者の出した結論は、笑いとユーモアの動機や原因よりも、笑ったあとにも人生があり、笑いがつくるその効果にこそ笑いの本質があるということ、のようです

イギリス人による著書や、イギリス映画を観るとき、今までなら不愉快に感じていた『笑い』も「これがイギリス」と思えば、今後はさほど苦痛を感じないで済みそうです

 

 


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