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車谷長吉「鹽壺の匙」

2014年11月18日 | か行の作家

 

新潮文庫
1995年11月 発行
2013年2月 11刷
解説・吉本隆明
292頁

 

 

「なんまんだあ絵」

「白桃」

「愚か者」

 死卵
 抜髪
 桃の木の話
 トランジスターのお婆ァ
 母の髪を吸うた松の木の物語

「萬蔵の場合」

「吃りの父が歌った軍歌」

「鹽壺の匙」

 

久しぶりの車谷さんです
私小説は大抵が暗く、読者を選びますね
お薦めは出来ません 

 

車谷さんはよくもまあ、こんな環境で成長し、まともな大人になれたと思います
家族との確執、家庭内暴力、精神や肉体疾患、他者との距離の置き方
特に幼少期~少年期は今なら児童相談所へ行かされるところかもしれません

 

以前、新聞の人生相談のようなコーナーで書いておられた
真に強い人は全くの孤独の中でも生きることができる、という言葉が忘れられません

 

本作中
曽祖父の後妻に入った女性が何年経っても曽祖父に叱られるのを
あの人は曽祖父との距離の置き方を学ばなかった
と表現しています
ふ~む、心しておこう

 

 

 


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