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ダイナ・チャヴィアノ「ハバナ奇譚」

2010年06月01日 | 海外の作家
ダイナ・チャヴィアノ
キューバ、ハバナ生まれ
ハバナ大学在学中にSFを発表して賞を獲り以降SFとファンタジーのジャンルではキューバ国内において最多発行部数を記録する
ドイツ、スペイン、メキシコなどで数々の文学賞を受賞
1991年亡命
現在はアメリカに暮らす


祖国キューバを捨てアメリカ・マイアミで記者として生計をたてているセシリア
祖国での辛い思い出から心を閉ざし一人ぼっちのセシリアは時と場所を選ばず出没する幽霊屋敷の取材を始めると同時にバーで出会った老女・アマリアの3代前から続く物語りを聞くことになる
ナイジェリアから連れてこられた奴隷
スペインからの移民
中国・広東からの移民達
がキューバという国でどのように生き、暮らしてきたのか

周囲の人間の未来が見えたというセシリアの祖母
既に亡くなっているセシリアの祖母や自分の夫と会話が出来る大伯母
幽霊屋敷の目撃情報をデータ化すると意外な関係性が解ってくる
妖精や幽霊がごく自然に風土に溶け込んでいるキューバ

政治的理由から亡命はしたものの
祖国を愛し見つめ続けている作者だからこそ書けた作品だと思います

ラストには感動が待っています


各章のタイトルはボレロの曲名になっていたり登場人物も実在のミュージシャンなのだそうです
キューバ音楽に詳しければもっと深くこの物語を味わえたでしょう

また
中国人達が広東からキューバに渡ったのは、その昔の日本軍の侵攻が原因とのこと
全く知りませんでした

この物語を読んで
自分の曽祖父母からの物語を次の世代に伝えることが出来るのだろうか
自分の国の歴史を正しく理解しているのだろうか
そんなことも考えました

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