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山本周五郎「髪かざり」

2017年08月27日 | や・ら・わ行の作家

 

新潮文庫
1987年 9月 発行
2009年10月 24刷改版
2016年 3月 26刷
解説・木村久邇典
339頁 

 

 

太平洋戦争中から終戦直後にかけて〈日本婦道記〉として書かれた初期の代表短篇集
非常時にあって戦場の男たちを陰で支え続けてきた日本の妻や母たちの、夫も気づかないところに表われる美質を描きます 

美質には違いないかもしれませんが、どうなのでしょう
少なくとも21世紀も1/5となろうとしている現在の女性観とは大きくかけ離れていると感じました

 

周五郎さんは後年「あれはむしろ世の男性や、父親たちに読んでもらおうと思って書いたもので、小説自体の中では、女性だけが特別に不当な犠牲を払っているようなものは一篇もない」
女性だけが犠牲を払っているという非難に言及し「非常に心外である、日本の女性の一番美しいのは、連れ添っている夫も気が付かないというところに非常に美しくあらわれる…、これが日本女性の特徴ではないかと思ってあの一連の小説を書いた」と仰ったそうです 

夫が妻の美質に気づかない、なんて今では結婚指輪を突き返される原因のひとつにもなりかねません

 

ここに描かれるところの、家を守る女、城を守る女たちに100%同調はできませんが、男女問わず、置かれた場所で生きていくうえで見失ってはいけない、芯のところで揺らぐことの無い『信念』や『矜持』については頷かされる箇所が多くありました

 

 

 


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