講談社文芸文庫
解説・岩阪恵子
255頁
短編の名手といわれた著者の11編を収録
「村の挿話」
「猫柳」
「空閨」
「増富鉱泉」
「男の約束」
「落葉」
「回転窓」
「留守の間」
「口婚」
「好敵手」
「七人の乙女」
身近な題材をごくありふれた言葉を使って、やさしさとユーモアと抒情溢れるものに作り上げた作品の数々
時代は昭和
作中の登場人物たちは、普通に生活しているどこにでもいる人ばかりで、ちょっとスケベだったり、自己顕示欲が強かったり、とんでもない勘違い野郎だったりします
自分や周囲の人間も登場人物の中の誰かに当てはまりそうで、苦笑い
勿論、各編の主人公が著者を投影したものなのは間違いなく、だからこそ、より木山さんが身近に感じられて安心して読めます
今どきの、フィーリングだけで物を書く作家とは大きく違います
たまに木山さんのような方を読むと「あぁ、良かった。日本語は健在だった。」などと思うのです
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