TINKERS
訳・小竹由美子
白水社
2012年4月 発行
202頁
2010年度ピュリツァー賞受賞作品
退職後、時計修理を営んできた80歳のジョージ・ワシントン・クロスビーは、死の床で、自宅がばらばらに崩壊する白昼夢を見る
記憶や思い出の数々が脳裏に浮かんでは消えていくなか、鮮明に思い出したのは、11歳のとき、貧しい行商人だった父・ハワードが、クリスマスイヴの夕食の準備のさなかに癲癇の発作におそわれた光景だった
現代、病を苦にし家を出た父の意識の流れ、牧師だった父のエピソード
様々な時間軸の物語が綴られます
タイトルでもある『ティンカー』は修理したりいじくり回したりすること、またはそれをする人や行商人を意味します
ハワードは森のティンカーだったし、ジョージも時計修理というティンカーの仕事をしていました
ピュリツァー賞受賞作品ということで期待して読みましたが
全体に派手さはなく、淡々とジョージの頭の中を描いている、といった感じ
退屈な部分もありましたが、気付けば読み終えていて、ラストには意外にも感動した自分がいました
万人にお薦めできる作品ではありませんが
未読の作家さんを開拓したい、という方には是非!
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