みなさん、こんばんは。
肌寒い日がつづきますが、いかがお過ごしでしょうか。
プロ野球の交流戦が白熱していますね
ところで、
舛添さんが言うには、
今の十代、二十代は年金がまともに受けられなくなるそーです。
困ったことですね。
なぜ年金が破たんするのか。
年金を払わない(払えない)ヒトが多くなったことや少子化もありましょうが
一番の理由は、
国民の年金をバカバカ他のこと(←何かはご存じですね!)
に使っているからでしょうね。
そーいうわけで、ますます先が見えない、世の中が混迷化していきます。
すると“おかしな事件”も多くなっていきます。
今週、観てきた「チェイサー」はそんな暗い現代を象徴する映画でした。
この手の泥臭いアクション映画、韓国はすごく上手です。
ハリウッド映画よりだんぜん面白い!!
なにせ設定がいい。
主人公(キム・ユンソク)が不細工で、つぶれそうなデリヘリ(デート売春)の経営者。
もと警官だったがクビになって、文句をたれながら仕方なくそんな商売をしている。
ねえ? もう、そこで愛着がわくでしょう?
この映画はそんな主人公の魅力にあふれています。
デリヘルの女の子たちが仕事先(男のもと)に行ったまま帰ってこない。
なんと連続猟奇殺人の犠牲者になっていた……という話。(:実話です)
この犯人の男がきょーれつに怖い!
映画ではすぐにつかまる。
「なんでそんなことをしたんだ」と刑事が訊くと
「なんでだろう……なんとなく……」と本当の犯人は答えたそうだ。
「殺した」と言っているのに、ケーサツのやる気のなさから、証拠不十分で釈放される。
映画で演じる役者(ハ・ジョンウ)がこれまたうまい。
無機質で、無表情で、だがすぐにカッと来て、あとは見境がない。
激しい怒りを内包している若者だ。
そんなやつって身近にいそうな気がしないか?
監督が
「凶悪な殺人事件や拉致事件が起こっても、警察は犯人を捕まえようとしない。
なぜだろうとずっと思ってきた。その怒りがこの映画になったのです」
と言っているが
たしかにそうだ。
昔、韓国だったか台湾だったか忘れましたが、本当にあった事件で
有名な女優の娘が誘拐された。
身代金の要求が来る。
マスコミやテレビが女優の家の前にわんさか押し寄せてカメラを回している。
それを警察が止めない。
女優は娘のためにお金をもって呼び出された場所に行く。
それをテレビカメラが撮っている。
車に乗れば、記者がバイクに乗って追いかけてくる。
信じられますか?
カメラが回っている場所に犯人が出てくるはずがないでしょう。
で、娘は惨殺体になって後日発見されるわけです。
享年17歳でした。
そのニュースをリアルタイムで見ていたので、驚きあきれ、唖然とした記憶がある。
意識にそういう土壌があったせいか、
「チェイサー」の警官の無気力ぶり、犯罪のむごたらしさは現実だし、事実だ。
それを描いた監督(←30代)はすごいし、
韓国の国家としての脆弱さが、逆に、国民たちの寛容さとなって、
“真実だから認める”、という泥臭い映画を作らせ、面白さへと昇華しているのだと思う。
これからもこんな危険な破壊者は出てくるだろう。
「いい子だったのに」
「そんなことするようには見えませんでした」
なんと身近な恐怖。
我々はどうすべきか。
「近寄るな!」か
「すぐに警察を呼べ!」か。
だが、そのケーサツが当てにならなかったら???
誰も助けてくれなかったら??
国民一人一人が武器をもつしかない、おれはそう思う。
残念だが
まちがいなくそんな世の中になっていく。
心の準備を。