Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

Une nouvelle amieとUne femme avec toi

2015-09-19 00:34:36 | 映画
観てきましたよ。
「彼女は秘密の女友達」
原題は「Une nouvelle amie」(新しい女友達)です。

若くして亡くなった妻の死出の旅支度を夫がしてるシーンから始まりました。
ウェディングドレスを着せ、ティアラも被せ、もちろんメイクもし
完全な花嫁の姿になって白い棺に収まりました。
その白い棺のふたに被さりました、映画のタイトルである「Une nouvelle amie」が。

亡くなった女性は、この映画の主人公クレールの小さいときからの大親友ローラです。
クレールはローラの葬儀で誓うのでした。
「あなたの生まれたばかりの娘と夫は私が守る」と。

しかし、故ローラの夫デイヴィッド(ロマン・デュリス)は、異性の装いをすることに喜びを見出す人だったのです。
偶然にそれを知ってしまったクレールは、当初は否定しつつも
だんだんとそれを受け入れ、やがて”彼女”との関係に、遠い日の自分と亡くなってしまった友人ローラとの
日々を重ね合わせるようになっていきます。

グッと胸に迫ったシーンは、クレールとデイヴィッドがこの曲を聴くシーンです。

Nicole Croisille Une femme avec toi

なんとなく雰囲気ですが、「あなたといて、初めて女としての幸せを感じたの」的な歌詞ですわ。

2人がこの曲を聴いたバーは同性愛者やトランスジェーンダーの方々が集う場所でした。
デイヴィッドとクレールが同性の友人として週末を過ごしている間に訪れた場所です。
この曲を聴いてデイヴィッドは涙を流しました。
その涙の説得力がありすぎて、こちらまでウルっとしてしまいました。
うまい具合には表現できませんが、幸福感・自己肯定感がとても伝わってきたのでした。
女性として生きる自分への。
いやいや、ロマン・デュリス、素晴らしい役者さんですわ。
とともに、フランソワ・オゾン監督もやはりいいなぁと改めて思いました。

よい映画でした。
観る前と観た後の評価が(って、偉そうですが)大きく変わった映画です。








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