4/25-26 あれはいつだった？ 第９５話
支配人は二人はチェックインされていると言った。
でも二人がチェックアオウトしたかは誰も知らない。
旭は直子がチェックイン手続き中にタクシーでどこかに
行ったと言ったけど、それは嘘だった。
なんでそんな嘘？
長野は再度ホテルに行ってみた。
それから部屋から直に地下の駐車場に行けることを確認した。
チェックインの時間は１６時ごろだった。
その時二人はいた。
チェックアウトのとき二人がそろっているかは
どうすれば確認できるだろう？
部屋のカードはカードボックスにあった。
二人がカードを入れたとして、その後行くとしたら 駐車場だ。
つまり正面玄関ではなくエレベーターに乗るわけだ。
長野もエレベーターで駐車場に降りてみた。
駐車場は２階あった。
どちらの階に旭が駐車したかわからない。
長野はキョロキョロして防犯カメラを探した。
エレベーターのところにあった。
中にも外にも。
長野はロビーに出るともう一度支配人を呼んでみた。
支配人は留守だった。支配人の秘書という男が来た。
秘書は先日来た長野を覚えていた。
長野はエレベーターと駐車場の防犯カメラを見せてほしいと言った。
秘書は支配人は午後戻りますので、午後にお出でいただけますか
と丁寧に言った。
長野は午後まで待てなかった。
後で連絡しますと秘書に言うと長野はホテルを出た。
そしてそのまま警察に行った。
長野は同棲しているガールフレンドが行方不明ということで
相談してみた。
旭を追及して効果のある結果を出す自信がなかった。
長野は海外出張で友人に直子を頼んだ。
二人のためにホテルも提供したと言ってから
友人旭が言ったことまでかなり正直に話した。
ホテルの支配人は長野の知人であり、二人のチェックインまでは
確かなことだと思うと長野は言った。
チェックアウト時、誰も二人を見ていないとも付け加えた。
そして帰国したら結婚する予定で婚約指輪まで渡したと話し
購入した宝石店名まで言ったのだった。
警察なら裏をとってくれるはずと長野は考えた。
長野が追及できない旭も警察なら追及してくれるだろう。
長野は必死だった。
長野は鞭のかけらのことは言わなかった。
でも長野は二人の泊まった部屋の番号も言ったから
きっと調べてくれる。
直ちゃん、助けに行くからね。
直子が最期に着ていたパジャマを手にとると
かすかに直子の臭いがした。
