1/15 切れた神経はつながるの話
幾日か前、ラジオでこんな話を聞いた。
そうだよと私は言った。
私の母の例。
母は若いころ陸軍の獣医学校に勤務していた。
ある時、ガラスの器具、フラスコとかを割って指を切ってしまった。
その時指の神経も切ってしまい指は傷は治ったけど
曲がらなくなってしまった。
上から下まで1本。どの関節も曲がらない。
そのために母はその指でひっかけてずいぶん痛い思いもしたそうだ。
母はいっそう指を切断してしまいたいと思ったそうだけど、
母の母にそんなことをしたらかたわになってしまうと止められた。
私の覚えている母の指はいつも冷たかった。
でも私が帰国して何年か経って気がついた。
母の人差指が温かいのだ。
指、治ったのと聞いたらそうだと言った。
曲がらないけど、温かいということは・・・・・
神経かと思ったけど、血管なんかが繋がったということか?
実は私も例があるのだ。
子供のころ、蓄膿症の手術をした。
片側だけだけど。
この手術は唇の奥を横にカットする。
私は歯茎に感触がなくなったのだけど、これが治ったのだ。
もっとずっと若いことに治った。
これとは関係ないのだけど扁桃腺の手術もした。
でも扁桃腺ってまた生える?伸びるというべきか?
私はパリで医者に聞いたら、切った扁桃腺は人によってはのびるらしい。
でも子供のころのような高熱が出るようなことはなかったし、
その後、のどが痛くてということもなかった。
トカゲのシッポのようにはいかなくても
人間も自動修復能力があるのかもしれない。
手術の際の切断の仕方で
傷の自然治癒が早まるというようなことがあるのかもしれない。