渦の中の私、滋賀へ行く

　よく分からなかった。自分たちの作品が。正直にそう。過去形で書いているんだけど今だって分かることと分からないことが混在する。自分たちで創っておいてソレはないだろうと思うでしょ？　こんなことがあるんです。こうなってこうなって、こうなる話ですって未だに説明出来なかったりする。笑えます。描きたいことがなかったのかと聞かれればありますって答えられるんだけど。
　僕たちの創るものは観客の前に広がる時間と空間。60分という制限時間の中で、留まることのない流れなのです。これをまあ、渦としましょう。そこで観客が何を感じ、考えるかは僕たちの仕事じゃないのですね。渦の中に居てくださったお客さんの中の化学反応なのです。100人居たら100通りの見方が出来るお芝居ってのが良いお芝居なんじゃないのかな？って言葉は、今更ながらそうなんだって驚いたリアクションでした。
　常にドキドキしています。これで大丈夫なんてお芝居ではありません。どうぞご覧くださいって胸も張りません。そのくせ駆け抜けます。二度見てくれた人のほとんどは、また新しい発見があったって言ってくれます。そんなお芝居です。今日は会議室を借りて最後の通し稽古。足りなかったところが膨らんで、そのくせつまんないところでぎくしゃくして。チャレンジャーですからこんなもんです。多くの化け物が住む近畿大会という大渦に、果敢に飲み込まれてきます。
　『渦の中の私』、11/26(土)、10:50開演です。