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脳性麻痺児が大きくなって起こり得る2次障害の一つに、
側湾の進行があります。
樹生はもともと非対称な頸性が強く、
かなり小さな頃から側湾の進行を気にして、
専門医に相談したり、側湾用コルセット(プレーリーくん)を
作ったりしましたが、樹生の場合、背骨の上部のカーブがきつく、
器具での矯正が効かない為、樹生の状態に対しては結局は気休めにしかならない、
と言われていました。
初めて側湾の手術についてはっきりと言われたのは、
パパの転勤で岐阜からこちらに引っ越す直前、
当時通っていた大阪の専門医でした。
その頃樹生は6歳。小学校入学前。
今すぐでなくても、いずれ手術を考えるべき、
と言われても、半年間に入退院を何度も繰り返すような状態の樹生に、
わたし達には手術なんて遠い先の事、としか思えていなかったのです。
そして、こちらに越してきて、紹介していただいた専門医に、
その旨を相談したときは、
「リスクが高すぎる。この子にとっては命がけの手術になってしまう」
と言われ、もともと手術に対して消極的だったわたし達は、
その言葉に乗っかるように、手術をしないで
出来るだけ自然なままの樹生を受け入れ過ごす、
と言う選択をしたのです。
それが今から6年ほど前の事。
今、樹生は13歳。
この数年間で樹生の身体の状態は少しずつ変化しています。
繰り返し書いて来ましたが、体調不良で登校出来る日も減り、
呼吸器の問題が目に見えて来るようになると、
今後の不安と焦りが募ります。
樹生が小さい時は、まだ手術対応の年齢ではない子の中にいたので、
必要性をそれほど真剣に考えてはいなかったのですが、
学校に通うようになり、年齢が上がると、
周りで側湾の手術をしたという声をよく聞くようになりました。
それも、ハイリスクと思われる重心のお子さんでも。
重度の脳性麻痺児の側湾は大きくなるにつれ、
進行していくと予測されます。
そうなるといずれ、呼吸器の方に大きく影響して、
樹生の場合、気管切開が必要になり、
人工呼吸器を使用するようになる可能性は大きいのです。
背骨や胸郭の歪みで内蔵を圧迫して、
腸捻転になる確率も高くなるのだとか。
それらの二次障害を少しでも防ぐ為に、
側湾の手術は有効なのです。
ただし、樹生のように重度の障害がある場合は、当然リスクも高く。
数年前には説明されたリスクの高さにすっかり恐れてしまって、
手術はしない、と決めたわたし達でしたが、今になって、
色々と見えてきた事もあって気持ちが揺らぎます。
このまま樹生を自然のままで、その時その時の状態を
受け入れるようにして行くか、それともハイリスクを承知で、
手術を決断するか…
親としては数年後の樹生が、少しでも穏やかに過ごせている事が
一番の望みです。
悩みは尽きません。
脳性麻痺児が大きくなって起こり得る2次障害の一つに、
側湾の進行があります。
樹生はもともと非対称な頸性が強く、
かなり小さな頃から側湾の進行を気にして、
専門医に相談したり、側湾用コルセット(プレーリーくん)を
作ったりしましたが、樹生の場合、背骨の上部のカーブがきつく、
器具での矯正が効かない為、樹生の状態に対しては結局は気休めにしかならない、
と言われていました。
初めて側湾の手術についてはっきりと言われたのは、
パパの転勤で岐阜からこちらに引っ越す直前、
当時通っていた大阪の専門医でした。
その頃樹生は6歳。小学校入学前。
今すぐでなくても、いずれ手術を考えるべき、
と言われても、半年間に入退院を何度も繰り返すような状態の樹生に、
わたし達には手術なんて遠い先の事、としか思えていなかったのです。
そして、こちらに越してきて、紹介していただいた専門医に、
その旨を相談したときは、
「リスクが高すぎる。この子にとっては命がけの手術になってしまう」
と言われ、もともと手術に対して消極的だったわたし達は、
その言葉に乗っかるように、手術をしないで
出来るだけ自然なままの樹生を受け入れ過ごす、
と言う選択をしたのです。
それが今から6年ほど前の事。
今、樹生は13歳。
この数年間で樹生の身体の状態は少しずつ変化しています。
繰り返し書いて来ましたが、体調不良で登校出来る日も減り、
呼吸器の問題が目に見えて来るようになると、
今後の不安と焦りが募ります。
樹生が小さい時は、まだ手術対応の年齢ではない子の中にいたので、
必要性をそれほど真剣に考えてはいなかったのですが、
学校に通うようになり、年齢が上がると、
周りで側湾の手術をしたという声をよく聞くようになりました。
それも、ハイリスクと思われる重心のお子さんでも。
重度の脳性麻痺児の側湾は大きくなるにつれ、
進行していくと予測されます。
そうなるといずれ、呼吸器の方に大きく影響して、
樹生の場合、気管切開が必要になり、
人工呼吸器を使用するようになる可能性は大きいのです。
背骨や胸郭の歪みで内蔵を圧迫して、
腸捻転になる確率も高くなるのだとか。
それらの二次障害を少しでも防ぐ為に、
側湾の手術は有効なのです。
ただし、樹生のように重度の障害がある場合は、当然リスクも高く。
数年前には説明されたリスクの高さにすっかり恐れてしまって、
手術はしない、と決めたわたし達でしたが、今になって、
色々と見えてきた事もあって気持ちが揺らぎます。
このまま樹生を自然のままで、その時その時の状態を
受け入れるようにして行くか、それともハイリスクを承知で、
手術を決断するか…
親としては数年後の樹生が、少しでも穏やかに過ごせている事が
一番の望みです。
悩みは尽きません。