まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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暗殺

2016-08-18 21:15:25 | 韓国映画(あ~な行)

1933年、日本統治下の朝鮮半島、京城(ソウル)で、日本政府要人を暗殺する密命を受けた3人の暗殺隊を中心に描く。

冒頭、時代がいろいろと飛ぶけれど、1910年代の頃は物語の発端で本筋に関わる重要なプロローグ。杭州に拠点を置いていた金九率いる韓国臨時政府は、朝鮮総督府の首脳暗殺のためヨム隊長(イ・ジョンジェ)に命じて3人の暗殺隊を編成する。凄腕スナイパーのアン・オギュン(チョン・ジヒョン)、速射砲、爆弾職人の3人は上海に集まるが、そこで暗殺請負人ハワイ・ピストル(ハ・ジョンウ)に狙われる。ヨム隊長は日本軍のスパイで、情報を漏洩させるとともに暗殺隊の抹殺を狙っていたのだ。辛くも襲撃を逃れたアン・オギュンたちは作戦遂行のため京城へ向かい、彼らを追ってハワイ・ピストル、そして日本軍のスパイだと韓国臨時政府にばれたヨム隊長も京城へ行く。

親日派として財を成していた実業家カン・イングクは、一人娘を日本軍将校と結婚させて自らの地位をさらい強固にしようと画策していた。そのカンの娘はアン・オギュンと瓜二つ、実は冒頭の事件で生き別れた双子の姉妹だったのだ。

ヨム隊長が流した情報で車輌を換え、日本政府要人は給油所でのアン・オギュンたちの襲撃を間一髪逃れた。日本軍の厳しい捜査の過程で仲間が次々と犠牲になり、アン・オギュンも絶体絶命の窮地となるが、カンの娘とすり替わることで難を逃れる。

ヨム隊長が日本側に寝返ったことを知り、さらに小さな子供まで有無を言わさず射殺する日本軍将校の非道な行いに、ハワイ・ピストルはアン・オギュンの味方につくことを決め、カンの娘と日本軍将校との結婚式に臨む。。。

チョン・ジヒョンが格好いい!長い狙撃銃で正確に的を射たかと思えば、給油所の襲撃シーンでは長い銃を持ちながら屋根の上を走り回ったり、最後の結婚式場では純白のドレスで拳銃をぶっ放す。颯爽としていながらも迫力あるアクションに惚れ惚れします。

イ・ジョンジェはヨム隊長を冒頭の若いシーンからラスト、戦後の裁判で裸になって傷跡を見せるところまで、肉体改造して一人で演じたというから驚きです。あのぼてっとした老人の腹も、何も入れてないのでしょうか。

韓国臨時政府についてWikiで少し調べましたが、あまり実態がなかった組織みたいです。存在はしていたけれど、どこも相手にしていなかったみたい。やっていたことも現代でいうとISのテロとあまり変わらなかったようで、政府要人の暗殺なんてテロそのものですね。独立戦争をする時間もなく日本が敗戦して解放されちゃったものだから、朝鮮独立運動がどの程度のものだったのか全然知りません。この映画にあるように、何か活動があったとしても散発的なものだったのでしょう。

町並や服装は当時をしっかり時代考証して再現したそうで、とても雰囲気が出ていました。当時の京城に三越があったとは驚き!明治末期から大正、昭和の初めまでのレトロな雰囲気がお洒落で、きっと当時の最先端をいっていたのでしょう。

冒頭のプロローグがヨム隊長のスパイのきっかけとなり、またアン・オギュンが一人生き別れる事件だったのは、うまい脚本だなと思いました。カン・イングクは妻も問答無用で殺しているし、自分の娘をアン・オギュンと間違えて殺した時も一瞬の躊躇いすらなかったから、親日派ということで冷酷に描かれているのでしょう。日本軍の描き方もかなり厳しい部分がありますが、全体的に迫力があり楽しめる映画でした。

公式サイトはこちら

7/18 シネマート新宿
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