意外と社会派(予定)

赤熊の辛口社会派(予定)ブログです。
天佑自助が赤熊の基本理念です。

日本語の年輪

2012年02月04日 | 資料室
「この頃の若い者は」という物の良い方をするのは、もはや、半老人のおいぼれか、半大人の天狗かのしるしだそうである。誰にしても若い時代があったのだし、元気にまかせていろいろな事や多くの間違いをしたに違いない。たまたま仕合わせに巡した自分の青春をもって、若い人たちの弱みや、缺点をあげつらわずに、激励と賞賛をもって、生命あふれる若人たちに対したいと思いながら、自分の固定概念と違う行動に出会うとつい何かを言いたくなる。
大野晋 『日本語の年輪』より


第2回昔読んだ本を思い出してみようコーナー!!!!
正直、2回目があるとは思いませんでした。
ついでに言うと、今回は思い出すのではなく、昔、気になる本の文章を写メで取ってたのを書き写したものです。

上記の文章を書いたのは故・大野晋(すすむ)さん。
言わずと知れた、国語学者で、日本語はタミル語から来たと主張なさった方です。
で、この本は日本語の語源を色々と書かれている一冊です。
例えば、オシャレは人の目に『さらす』からきているとかなんとか。
あと、『すごい』という形容詞(今風に言うと『ヤバい』)は言葉としての寿命が短くすぐに消えていくそうです。

この本の素晴らしいと思った点はこの本の刊行年が昭和37年だということです。(※)
今から50年ほど前ですね。

書かれたのは50年前なのにですよ。

今でもいるよね・・・。
『最近の若い奴は』っていう老人ども!!
赤熊は最近みたよ!!
そういう老人どもにこの本を投げつけたくなるんです!!!!!

50年前に痛烈に言われていることを今の人が言うなんてねぇ・・・。
昔と比べたら比べられないほど科学技術が進歩しまくっているのに進歩というものが一切ないなぁ・・・・と感じますね。

でもまぁ、この著者のすごいところは、最後の一文の『自分の固定概念と違う行動に出会うとつい何かを言いたくなる』でしょうね・・・。
人間の精神の根底は些かも進歩していない、進化しないと喝破しているのですから。

赤熊はまだ、こういう心境に達していませんが人の本質なのですから、こうなったら老化した人間の象徴と捉えるべきなのでしょうかね。
うーん・・・。
肉体は衰えたとしても精神は若々しくありたいものです。
少なくとも『こうはなりたくはない』と自らを戒めないとならないと思います。


※アマゾンのサイトでは1966年と書かれてますが、本の発行年を見ると昭和37年(1962年)と書かれてます。
ネット情報が正しいとは思えないので、本の記述を採用してます。あと、50年前の本ですから書かれていることと現代の定説には齟齬があると思います。

缺点・・・欠点の旧字

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