リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

たった一度に負ける

2016-11-13 08:27:00 | オヤジの日記
少し前のエントリーで、私のヨメが私を信用していないと書いた。

それを読んだ友人が、「信用していないというのではないだろう。誤解を招くから表現に気をつけた方がいい」と忠告してくれた。

だから、表現を変えたい。
信用していないのではなく、「私の言葉」に関心がない・・・と。


私は昔から、家族にこんなことを言っていた。

風邪や体の痛みは、俺は風邪を引かない、体なんて痛くないと思えば耐えしのげる・・・と。
息子や娘は、私の方式を実践して、風邪をひかない体、痛みに強い体を作った。

しかし、ヨメだけは、「それって、あなたの嫌いな精神論じゃないの?」と懐疑的だった。

いや、これは精神論ではなく、脳科学の分野だ。
脳から自分の体を騙すように全身に暗示をかければ、体内のナチャラルキラー細胞が増えて、免疫力がアップする。

ナチュラルキラー細胞を活性化しておけば、風邪を引くことは少なくなるし、病気にかかる確率も低くなり、痛みも誤魔化せる。
気合いだー! の精神論とはわけが違うのだ。

しかし、私の言葉に、ヨメはまったく関心を持たない。

だが、先日、まるでコントのような出来事があった。

ヨメは、物心ついたころから、ある宗教の信者だった。
両親の影響を強く受けていたようだ。

その信者同士の会合が、定期的に開かれているのだが、そのなかに今回は医師がいたのである。

その医師が、まわりの信者さんたちに向かって言ったという。
「気持ちは大事です。たとえば、風邪を引かないと毎日念じたら、体の細胞が活性化してきて、風邪をひかない体になるのです。『病は気から』と言うではないですか。だから、みなさんも、毎日念じてください。必ず、健康な体になりますから」

家に帰ったヨメは、興奮した面持ちで、「ためになることを聞いたわあ。やっぱり人間は気持ちなのよね。今日から、実践しようと思うの!」とみんなに宣言したのである。

家族一同唖然。

私が、20年以上訴え続けたことは、たった一度の医師の言葉に負けるという楽しいお話でした。


他にも、昨日、こんな楽しいことがあった。

我が家では、昔、日曜日の晩メシは必ずカレーを食うことを習慣としていた。
我々は、それを「サンデー・カレー」と言っていた。

しかし、ヨメが、自分のお友だちの家が土曜日に必ずカレーを作ることを知ってから、「うちも土曜日にして」とゴリ押しをしてきたのである。
その結果、我が家は、5年前から「サタデー・カレー」になった。

毎回同じ味では、作っていてつまらないので、毎回味は変える。
20種類以上のカレーをローテーションして、家族に食わせていた。

その中に、厚揚げを使ったものがあった。
しかし、ヨメは「カレーに厚揚げは、おかしい。だいいち、ビンボー臭い」と怒るのである。

とは言っても、ビンボー人がビンボー臭いのは、当たり前ではないか。
だから、私は批判に屈せずに、厚揚げ入りカレーをたびたび作った。
息子と娘が、「うめえ」と言って食ってくれたからだ。

そして、昨日の土曜日、友人のスガ君から電話があった。

スガ君は、静岡で駐車場やレストラン、レンタルボックスなどを多角的に経営している社長様だ。
彼は、昨年から東京に進出して、日比谷線神谷町駅近くに事務所を構えていた。

「ちょっと、お願いしたい仕事があるので、来ていただけないかと」

いや、いま俺は猛烈に忙しいので、そちらから来てくれると助かる。
そう言ったら、社長様は、タクシーで武蔵野のオンボロアパートまでやってきた。

スガ君とは10年以上の長い付き合いになるが、私の家に来るのは初めてだ。

オンボロで、ビックリしたろと聞いたら、スガ君が言った。
「いや、兄貴が言うほど、オンボロじゃないですよ。ただ、相当に古いですけど」

いや、スガ君、それを世間では「オンボロ」というのではないだろうか。

ちなみに、14歳年下のスガ君は、私を「兄貴」と呼んで、慕ってくれていた。
175センチ120キロの大型デブ。
そのデブが180センチ56キロのガイコツを慕うなんて、なんかとてもミスマッチ。

そのスガ君は、むかし静岡でラーメン店を経営していたが、4年半でつぶした。
その後、離婚をしたり、大病をしたりの波乱爆笑の人生を送ったが、今は立派に社長業をこなしていた。

仕事の打ち合わせが終わったのは、5時過ぎ。
だから、スガ君にメシを食っていけ、と命令した。

今日は、サタデー・カレーの日だ。

私が、そう言うと、デブは、目を輝かせて「ゴッツァンです」と言った。
私が作ったのは、厚揚げ入りカレーだった。

ベースは、玉ネギ、ジャガイモ、ニンジン、チキン。
そして、一口大に切った厚揚げを表面をカリカリに炒めたのち、カレー粉でからませたものを別皿に盛る。

厚揚げをトッピングするかしないかは自由だ。
ヨメ以外は、必ずのせる。

スガ君に、ビンボーカレーを出した。
すると、「兄貴、斬新ですね。でも厚揚げもありですね。食感がすごくいいですよ。俺も家でやってみましょう。いいものを食べさせてもらいました」と言って、3杯も食いやがった。

スガ君が食っているときに、ヨメに「スガ君は調理師免許を持ったプロだからね」というと、スガ君の食いっぷりにつられて、ヨメが初めて厚揚げをトッピングした。

「あら、おいしいじゃない!」

10年以上、拒んできたビンボーカレーも、調理師免許を持ったデブが3杯食ったら、たった一度で「おいしい」に変わる。


関心がないというのは、とても楽しいことだというお話でした。



   ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



トランプ氏が大統領候補になったときは、驚いた。

ビジネスの世界では、トランプ氏は債務不履行と訴訟を繰り返す実業家にすぎなかった。

さらに、理性的でない話を大声で吠えては、人種差別的な中傷を口にした。
政治経験がなく、トリッキーな政策を掲げていた。

そして、あらゆる角度からの批判も無視して、自身と会社の納税額を公開することを拒んだ。

そんな人が、唯一の超大国であるアメリカの大統領になった。

アメリカの民主主義というのは、面白い。
「異端児」を受け入れる懐の深さを持っている。

かれらは、実はヒール(悪役)が好きなのかもしれない。

ただ、数ヶ月後、ヒールを大将にしたアメリカが、世界中のヒールになっている可能性がないとは言えない。


それを喜ぶのは、ロシア? 中国? 北朝鮮?


1989年に、地中深く葬られた東西冷戦が、ゾンビのように蘇らなければいいのだが。



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2 コメント

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まだ早い! (izukun)
2016-11-16 14:58:48
うーん、なるほど、そういうこともあるんですね。

少し違う話なんですが、私は逆の立場のようです。女房の話を、ふんふん、ふんふん聞いているようなんですが、実際は聞いてない、無意識のうちに聞き流しているんですね。

で、やがて話のつじつまがまったく合わなくなって、
「あんたは、ひとの話をまったく聞いていない!」となるわけです。
かなり大切な話でもそうなんで、そんなときは怒りは倍増しますですね。

でも、matuu夫妻のところはまだそんな年じゃないでしょうよ。大丈夫!
こんばんは^^ (たにむらこうせつ)
2016-11-18 19:17:09
旦那より他人の言葉を信じる。
良くあることです。
家の妻も同じ事を他人から言われると信じてしまいます。
夫婦ってそれを認めてなり立つように想いますよ(^-^)
みんなのブログからきました。
詩を書いています。

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