東京ナイト

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「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」

2011-01-06 22:17:02 | 
本は「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」 河合香織・著。



数年前、ワインにはまっていた時期がある。
その中でもすごく印象に残っていたのが「ボー・ペイサージュ」という日本のワイナリー。
岡本さんという人がたった一人でブドウ作りからワイン作りまでこだわりぬいて取り組んでいる。

すごく気に入っていたのでリリースパーティーに参加したり、妹の結婚式で彼のワインを使わせてもらったり、山梨にある彼のワイン畑に訪ねて行って話しを聞いた事もあった。
その時の日記

岡本さんの話は、すごく説得力があってものすごく刺激を受けた。
一番記憶に残ったのは、「消費者も生産者なんだ」という言葉。
消費者がどんな消費行動を選択するかによって生産者に大きな影響を与える。
当たり前の事かもしれないけれど、「おいしい」「おいしくない」という基準だけで切り捨てていくのはその先の生産者のことを思うとできない事。
逆に生産者も消費者の顔が見えていればいい加減なことは出来ないはず。
せっかく物流や決済が便利になったんだから、もっと消費者と生産者が近い場所にいられたら良いと夢を語ってくれた。

という訳で、その岡本さんはじめ、日本のワイン造りを主導した醸造家・麻井宇介(うすけ)に影響を受けた若き日本ワインの革命児3人を描いたノンフィクション。
著者は「セックスボランティア」を書いた女性。
この本で小学館ノンフィクション大賞を受賞している。

まず、想像していた以上の、狂気さえ感じさせるストイックなワインに対する姿勢に驚いた。
詳しくはぜひ読んで欲しいのだけれど、今の時代にこれほどまでにひとつのことに熱くなっている人がいるだろうか。
これまで「常識」とされていたワイン造りの全てを疑い、自分たちの感性を信じて突き進む姿が描かれている。

しょうじき、著者のノンフィクションとしての書き方には違和感があってあまり好きではないが、それを補ってあまりある取材対象者の突き抜けた凄みが伝わってくる一冊。
ワイン好きの人だけでなく、「消費者」である全ての人に読んで欲しい。
オススメ!


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