東京ナイト

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糞土師・伊沢正名さんのワークショップ

2009-11-08 22:15:11 | イベント
今日は、所属している高尾の木こりグループに特別ゲストを招いてのワークショップ。
テーマは「野糞」。
ことし、『くう・ねる・のぐそ 自然に愛のお返しを』という衝撃ののぐそ本を出版された伊沢正名さんに、のぐその理論と実践をじっくり教えてもらった。

井沢さんはもともと著名なキノコ写真家。しかし今はキノコ写真を撮るのを止め、自ら「糞土師」(ふんどし)と名乗って、のぐその正しさと素晴らしさを啓蒙するための活動を行っている。



井沢さんによると「のぐそ」は生き物の命を奪って生存している人間が、自然界にその一部を栄養素としてお返しするための重要な行為。
しかし、現在、トイレの水洗化が進み、のぐそ未経験の人も多い。人間の糞尿を処理するためには、様々な薬品やエネルギーを使う必要がある。

そもそも命の循環システムを考えると、人間の糞尿という、自然界にとっての大切な栄養素を、わざわざエネルギーを使って自然に還元せずに廃棄処理してしまうのは、あまりにももったいないと井沢さんは言う。

長年、キノコの写真を撮りながら、森の分解者と呼ばれるキノコの役割を観察してきた結果、森の中での命の循環システムの素晴らしさに気がつき、ひるがえって、もっと大きな生態系、つまり人間もその一員である地球全体の命の循環システムの不自然さの象徴として、人間の糞尿処理の問題点に行き着いたのだとの事。

その実践としての、のぐそ活動を長年に渡り続けていて、21世紀になってからまだ一度もトイレでうんこをした事がないという極め付きの猛者である。口先だけの「エコロジスト」が裸足で逃げ出すような凄みがある。

でも、そうした使命感だけで、のぐそを続けているわけではないと井沢さんは言う。
「やってみると、のぐそは楽しくて気持ちがいいんです」と実に楽しげに教えてくれた。楽しくのぐそを行うためのポイントは、「葉っぱ選び」。出した後、お尻を拭くための葉っぱにはこだわりがあり、細かくこれまで使ってきた葉っぱを分析している。

実際、僕も今日、井沢さんオススメの葉っぱを使ってみたが、ベルベットのような肌触りで本当に気持ちが良い。ちゃんとペットボトルの水も使うので衛生的にもばっちり。

という訳で、単にのぐその作法だけでなく、その先の命の循環システムにまで思いを至らせてくれた非常に衝撃的なワークショップだった。

*写真は井沢さん持参の優れものの葉っぱの数々(乾燥したキノコもある!)。


*井沢さんの著書『くう・ねる・のぐそ 自然に愛のお返しを』の紹介はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/mask1970/e/ce0352b2370d7712bb8ea3f82c02852c
http://special.yamakei.co.jp/noguso/index.html

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