東京ナイト

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講演会:藤村靖之(非電化工房主宰)×辻信一(文化人類学者、環境運動家)

2011-05-28 13:30:07 | イベント
3・11のあと、僕たちは進むべき方向を見失い、不安の中、立ちすくんでいる気がします。
生活や生き方などが大きく揺らぎ、変わらなければ、と思いつつ、どうすればよいのか分からないという状況でしょうか。

そんな中、聞くことの出来た今日の講演会は、まさに道を照らしてくれるような、発見と驚きに満ちた内容でした。

藤村靖之さん。
取得特許数が1万を超え、数々の賞も得ている日本を代表する発明家の一人です。
いまは非電化工房というアトリエを構え、発明家の域を超えて活動されています。
非電化工房HP

今回、藤村さんは、「ナマケモノ倶楽部」の辻信一さんとふたりで、3・11以後の世界について語ってくれました。

「ある問題を引き起こしたのと同じマインドセットで、その問題を解決することはできない」。
アインシュタインの言葉だそうです。

原発が安全でないと分かったいま、エネルギーシフトについてしきりに話されています。
太陽光、風力、波力、天然ガス・・・。
しかし、マインドセット(心の枠組み)が変わらない限り、原子力をこうしたエネルギーに変えるだけでは、根本的な解決にならないのでは? というのがおふたりの考えです。

例えば、僕たちは1年間で、平均850GPのエネルギーを使って生活しているそうです。
この「GP」という単位は、藤村さんが作ったエネルギーの単位で、「原発1基分」を意味します。
つまり850GPとは、原発850基分のエネルギーを消費しているということ。
もちろんひとりではなく、全エネルギー消費量を、人口で割って計算したものです。

850GPの内訳は、例えば自動車でつかうエネルギーが209GP、オール電化住宅で68GP、トイレの便座を温めるのに1GP、電気ポットで3GPなど。

3・11以前は、「オール電化住宅」がもてはやされ、「電気自動車」の時代が来ると言われていました。
ぜんぶ電気を使ったもの。
それが「エコ」とされていたと思います。

オール電化は、昨年の新築家屋の80%で導入されていたし、日本に8000万台ある自動車がぜんぶ電気自動車に変わったら数百兆円の買い替え需要が生まれたことでしょう。
まさに官民一体となって、原子力エネルギーにシフトしようとしていた事が今となっては良く分かります。

でも、ほんとうに「エコ」なのか?
単に原子力を使うという意味だけではなく、そもそもエネルギーを安く使うことが自体が、エコではないのではないか、ということなんだと思います。

「快適」「便利」「スピード」、様々な目的でエネルギーはふんだんに使われています。
でも、果たしてそれは「幸せなのか」・・・。
いまこそ、「マインドセット」を変えるときが来たんだと思います。
辻さんも、「エネルギーシフト」じゃなくて、「エネルギーダウンシフト」を目指すべきだと力説していました。
ほんとうにそうだと思います。

あまりにも面白かったので、藤村さんの話は何かのイベントとして企画します。
決まったらまたこのブログでお知らせします。
お楽しみに!

あ、今日の講演会は、「GAIA食品・雑貨見本市@お茶の水」というイベントのひとつとして開かれました。
帰りには美味しい煮干しとかお味噌とかいろいろ買い込みました。
なんだかこういうイベントっていいですね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
非電化 (orichan)
2011-05-28 20:49:07
非電化の本持ってます!

非電化住宅、あこがれる。

しかしそんなこと夫に言った日には、カリンポンを引き合いに出されてしまいます。
Unknown (サイトウ)
2011-05-29 10:11:05
>非電化の本持ってます!

という人が他にもいました。
僕は全然知らなかったのですが、界隈では有名な人だったんですね。
不勉強でした。

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