傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
写真、ゴルフを楽しみながら地域社会に溶け込む一応元気な傘寿越えの爺さんです。

平成30年大相撲秋場所感想

2018-09-28 14:44:09 | 日記
                               大相撲平成30年秋場所所感
1)はじめに
 稀勢の里の復活と御嶽海の大関昇進が場所前の話題だったが、前者は先ずクリア、後者は「振り出しに戻る」と言うこととなった。白鵬が全勝優勝を飾ったが大関・横綱が中盤まで優勝争いしたので相撲ファンを喜ばせたと思う。
2)稀勢の里の復活にホッとした
 今回は優勝力士よりも稀勢の里を先に取り上げよう。5日目までは全く綱渡りの危なさで奇跡的に勝ちを拾い続け連勝したことが彼の土俵人生を左右したといえる。全敗もありえた相撲っプリだった。多くのファンはホッとしただろう。相撲の神が稀勢の里に微笑んだと言える。
 そして6日目に千代大龍の1発で負け。7日目に又危なげな勝ったものの8日目にまた玉鷲の1発で完敗。このままずるずると負け続けると心配したが、何と9日目に手負いといえカド番で燃える栃ノ心に力相撲で勝った。次ぎの日の遠藤には初めて完勝。この2勝は彼に自信を持たせたかもしれない。しかもこれで8勝。横綱としては勿論不満足だが、8場所連休のハンデを考えれば「引退しなくてもいいじゃん」との声が出たように思う。
 次ぎの9日目はまた不調の逸ノ城の一押しで完敗。しかし、12日目は調子を落とし始めたとはいえ御嶽海に力相撲で勝ち、14日目は横綱鶴竜にも完勝。稀勢の里の復活を喜んだものだった。ただ白鵬と豪栄道には歯が立たなかった。
 場所前に引退回避の関門と言われていた10勝し、その中に横綱大関への勝ち星も含まれたのだから兎に角「よかった」と言うのが日本人ファンの共通の気持ちだろう。いろいろ苦しみと緊張もあっただろうがよく耐えて頑張ったと思う。
 今場所の相撲を見る限りジックリ構える相撲になれば充分勝負になるが激しい立会い(千代大龍・玉鷲・逸ノ城に負け)に対しての応対と言うか相撲感がまだ回復していないし、白鵬とか豪栄道のスピードについていけない感じがした。その対応を修復させれば来場所星を大きく伸ばせると期待している。
3)白鵬の"復活“
 彼には失礼だが今年まだ優勝してなかったし休場明けだったのだから復活と書かせてもらった。
初日から凄い迫力があった。1-2回アッと思う相撲があったが、殆ど全く危なげない取り口で終盤には「これは全勝する」とファンに予感させていた。
本人も歳を考えて稽古のやり方とか相撲の取り方を考えているといっていたが、力を頭脳と技術で補完するやり方に円熟さを感じる。
 印象に残るのは御嶽海との相撲だった。棒立ちとなった危機状態から足をあしらいながら相手に体勢を崩して投げを仕掛けた上手さにさすがだと感じた。
 41回目の優勝を全勝で飾ったし幕の内1000勝、横綱で800勝という記録を達成したことは天晴れと言いたい。33歳だが、まだ2-3年はやれるだろうし、本人も東京五輪の年まではやるといっている。少なくともあと5回は優勝するだろう。
4)鶴竜の実力は?
 先場所は途中休場したがその前2場所連続優勝して復活振りを示した。今場所も10日目までは全勝だったが、11日目に手負いの栃ノ心に敗れが影響したのかそれから千秋楽まで連敗。と言うことは長い休場明けの稀勢の里を含め横綱大関戦に全敗と言うこと。彼の実力とは思えない。精神的な弱さがあるのだろうか。同じ5敗でも稀勢の里の5敗と違うように問題含みを感じる。
5)大関について
・豪栄道 初日に不覚を取ったが先ず先ずの12勝。実力は高安と互角と見る。しかし白鵬とは差がある。要するに彼の力どおりの成績を残したといえ     る。
・高安 不満だろうが休場明けだから仕方がなかろう。千秋楽の負けは前日の御嶽海との負けが、尾を退いたと見る。
・栃ノ心 まだ怪我が完治しないままの休場明けでまだ充分相撲が取れないらしい。カド番なので無理して出たのだろう。しかし苦しかったが、鶴竜と高   安に勝ったことは褒めたい。怪我が完治すれば又優勝に絡んでくるだろう。
6)他の3役
・御嶽海 大関を狙う場所だった。5日目に栃ノ心を破って5連勝したが、翌日豪栄道に負けたことが影響したか、8日目に格下に負けてから更に彼の悪    い癖の4連敗。9勝どまりで大関問題を振り出しにもどしてしまった。
     先場所優勝は大関・横綱不在の幸運に恵まれたためという理由を裏書したことになり彼にとって悔いのある場所だった。大関昇進の3場所33    勝と言うことを考えれば来場所11勝で到達するが、今場所の印象が悪いのでそれでは無理で恐らく13勝以上でないと話題にならないだろう。
    後半の連敗をなくすことは精神面の鍛錬が必要と言うことか。
・逸ノ城 やっと8勝で関脇を守った。10日目まで3勝7敗だったがその後5連勝した。
    9人の3役と対戦したが、稀勢の里と玉鷲に勝った2勝と前頭の6人に勝った8勝。他の横綱大関7人に負けて7敗。言い換えれば上に弱く下に    強い典型的な星だった。あの体格なのだからもう少し、スピードをつけるとかスピードに対抗する技術を磨けば上が見えるのだが、余り進歩して    いいない。もったいない。
・玉鷲
    暫く3役と幕内上位を行き来していたがどういうわけか大負け。力は7-8勝するレベルと思うのでまたカムバックすると思う。
・貴景勝
    9日までは上位戦が多く3勝6敗だったが、その後6連勝で9勝とした。しかし大関以上では栃ノ心に勝っただけなので今場所は大物食いの声は    出なかった。まだ若い。将来角界を背負う一人であると期待したい。それには4つ相撲を身につけることが必要だろう。
7)前頭について
・遠藤 折角3役を狙える地位に戻ったのに怪我のためか3勝で全く冴えなかったし、今場所は批評する以前のレベルの完敗負が多かった。また出直しと   なる。怪我が多いが、怪我しないことも実力の一つと考え体調管理について工夫をしてほしい。・魁聖 あの体力を生かして何とか8勝。来場所小   結となろう。脆さがあるのでこれ以上の伸びは疑問。この辺り位置を維持すればOKではないか。
・勢 怪我のためか大負け。彼も怪我が多い。
・千代大龍 何年か前に将来の大関と予測したが、眼の病の影響か幕内の上下を行き来している。立会いの一発だけが勝負とあっては大きな期待は無理     か。
・豊山 彼も怪我で大負け。動きは激しく、将来有望と見ている。数場所で又この地位に戻るだろう。
・正代 素質はあるはずだが伸び悩んでいる。今場所も負け越し。性格的に大人しいのだろうか。
・妙義龍 長い怪我との戦いが終わったのか。この地位で8勝。但し終盤の3連敗は痛かった。何年か前には大関候補だったが有力な後輩に追い越されて    いる。今の力では大関は届かないのではないか。
・阿炎 長い手のツッパリが有名だが、相手に研究されたのか9日目までは6勝とよかったものの終盤6連敗で負け越し。いずれ出てくる有望力士と見て    いる。
・朝乃山 豊山と類型の有望力士と見ている。だが、今場所は終盤5連敗で8敗。
・阿武咲 怪我が完治していないのか4勝どまり。将来に期待している。
・北海富士 7連勝後、躓いて9勝どまり。上位の経験もあり御嶽海のライバル。来場所に期待。
・琴奨菊 34歳の元大関。よく頑張った。
・貴ノ岩 10勝。ほぼ回復と見る。来場所上位に戻ってからが楽しみだ。
・嘉風 11勝。この位置なら当然の成績。先場所が悪過ぎだった。来場所は幕内中位までだろうから来来場所また上位での活躍が楽しみだ。
8)十両以下について
・安美錦 筆頭で11日目まで6勝5敗だったが、3連敗で負け越し幕内カムバックはならなかった。だんだん歳をとるので今後どこまでやれるか心配      だ。
・豪風 6勝どまり。歳のせいとはいえ残念。この位置ではまだまだ勝ち越す力はあると思うが。
・荒鷲 11日目まで6勝したが安美錦同様その後3連敗で負け越し。残念だった。
・貴源治 5枚目で8勝。まだ入幕には届かない。何か皮が剥けないというか相撲をかえないと上に上がれない。 特徴がない相撲だ。
・臥牙丸 6勝したので何とか幕下陥落はなかろうが、そろそろ限界なのだろう
・常幸龍 幕内の有望力士だったが十両のドンゲツに落ち、ようやく9勝。怪我だったのだろうが、復活を期待する。
・徳勝龍 優勝おめでとう。来場所は無理だろうが来来場所又幕内で頑張ってほしい。
・豊ノ島 幕下筆頭で6勝1杯。久し振りに来場所十両カムバック。来来場所かその次に再入幕すると期待。ただ歳もとるのでどうなるか心配。
・貴公俊 例の暴力事件で幕下21枚目まで落ちたが今回5勝2肺。来場所頑張れば来来場所十両にもどれる。反省して頑張ってほしい。
9)おわりに
今場所は上位が頑張ったので幕内上位の星が悪く3賞がなかった。制度が出来た昭和22年以来始めての事と言う。
幕下の優勝は全て7戦全勝だった。彼らの飛躍的な躍進が何年か後にヒーローを生み出すのだろうか。
行司のトップ立行司木村庄之助と式守伊之助は何時出現するのだろう。協会もそろそろ考えていいのではないか。現役の行司の上層たちの力量にまだだ 問 題ありと言うのだろうか。
  協会の努力と力士たちの頑張りで大相撲ファンが盛り上がり今年は初場所から5場所連日満員御礼と言う。結構な話だ。若手の成長(星は必ずしも伸 びないが相撲っぷりはいい)が、何かやらかすのではないかとの期待がこの盛大さを支えていると思う。