傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
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大相撲平成28年度秋場所感想

2016-10-07 11:18:32 | 日記
             平成28年度大相撲秋場所感想
 1)はじめに
 今場所は白鵬が休場で稀勢の里の優勝と横綱昇進が話題になってスタートしたが、肝心の稀勢の里が序盤で沈没し豪栄道に始まり豪栄道に終わった場所となった。カド番だったが、豪栄道に天晴れと言いたい。
2)豪栄道に天晴れ!!
 彼に謝らなければならない。ここ2年の実績から考えて近く大関の地位から落ちると予想して書いてきたからだ。実は琴奨菊が優勝して時も同じことを書いた。琴奨菊は次の場所には期待を裏切ってもとの琴奨菊に戻ってしまったが、豪栄道はどうなるだろう。彼は大関昇進後にズット怪我で悩まされてきたが、治ったから本来の相撲が取れたといっている。性格からかあまり自分の怪我を公表せずに治癒に努力したらしい。私はその怪我の程度を知らなかったし、恐らく多くのマスコミやプロの解説者もあまり怪我を重視していなかったのではなかろうか。兎に角、今回の彼の優勝を予想した人は居なかったと思うし、全勝を続けていても「終盤には負けるから何ともいえない」という解説者が殆どだった。舞の海も13日目に鶴竜に勝ってやっと「これは優勝か」と思えたと言っていた。それほど専門家にも信用がなかったということだ。兎に角全勝は立派だ。日本人では貴乃花以来というから立派だ。文句のつけようがない。
 しかし私は100%は彼を信じない。琴奨菊の例もあるからだ。確かに今場所の彼は悪い癖の引く相撲がないことが目立っていた。日馬富士の相撲でその悪い癖の引きながらの首投げが幸見事に決まったが、これは勝負の女神が彼に微笑んだのだろう。彼については器用で何でもできるから自分の型がないという批判もある。この点彼自身充分検討して綱取りといわれる来場所に備えてほしい。
2)稀勢の里頑張れ!!
 彼はまたしてもチャンスを逃した。白鵬の居ない場所だから日馬富士と並んで優勝争いに並んでいたが、初日と3日目に負けて早くも序盤で躓いてしまった。何時も言われるメンタルの弱さなのだろうか。その欠点が取れないうちは力があっても横綱にはなれない。
豪栄道との相撲に勝てばまだ優勝の目はあった。途中まで優勢だったが、腰高の欠点がでて逆転して負けた。その敗戦で彼も切れたのだろう。その後は全く彼らしからぬ相撲の連続で惨敗。横綱昇進の話は全く振り出しに戻ってしまった。
しかし冷静に考えよう。豪栄道はカド番の次場所に全勝して横綱昇進のチャンスをつかんだ。1年に6場所もあるのだ。稀勢の里も来場所優勝すれば来年の初場所が昇進の場所となるのだ。そう前向きに考えればいいではないか。
3)横綱昇進の規準にひとこと
 横綱昇進の規準に疑問がある。大関昇進はその前の3場所、3役で33勝という規準がある。横綱昇進は「連続優勝かそれに準ずる成績」だから全く違った規準になっている。
豪栄道のように2年間の大関在位期間に歴代最低の勝率(0.565)しかなく、しかも前場所は負け越してカド番になっていても、今のルールでは今場所と来場所2場所だけが好成績だったら最高位の横綱に上れるのだ。
 横審もこれまでの彼の実績があまりも不振だったので横綱昇進に慎重な発言をしているが、「14勝以上の優勝ならOKとか3横綱を破ればOK」とか言っている。 私は大関昇進の規準との対比で、仮に2場所連続優勝しても前3場所の合計勝ち数が38勝というハードルを儲けるべきではないかと思う。2場所全勝してもその前の場所に負け越していたら資格がないという思想だ。但し、その場合優勝は連続でなく1回飛びでもよしとする。 
もう一つ、優勝回数とは別に例えば年間最多勝を何度達成したとか1回でも年間に80勝したら横綱に上げるとか異なった視点から横綱にあげるルートもあっていいのではないかと思っている。場所数が6つあるのだから安定的な好成績を続けることは、突然変異的に2回優勝するより横綱に相応しいという考えである。
因みに豪栄道 稀勢の里 鶴竜3力士の大関での実績を表示する。

大関時代の3力士の成績と場所数

勝ち数 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 在位
鶴竜 3 3 4 2 12
豪栄道 1 1 2 5 2 1 1 13
稀勢の里 4 1 8 8 6 1       28


      大関での 優勝回数    大関での勝率
鶴竜       1          0,661

豪栄道      1          0.565

稀勢の里     0          0.705



豪栄道の大関在位の成績は鶴竜よりはっきり劣っている。カド番が4回もある。横綱昇進後の鶴竜の勝率は0.700で9勝2回、10勝4回、11勝3回、12勝3回で決して横綱の責任を果たしていない。豪栄道が今の状態で横綱になっても鶴竜レベルの横綱で終わるのではないかと危惧している。ただいかにそれまで不振でもある時から突然変身する場合もあろう。来場所又全勝優勝すれば筆者も文句を言えないと思う。悩ましい所だ。大関での成績は稀勢の里が最もいいが、肝心の場所、肝心の勝負で勝てないために横綱になれない。前述したとおり彼の奮起を促したい。

5)横綱陣の評価
 日馬富士は優勝を逃したが12勝だから横綱としての最低の責任は果たしたと思う。
鶴竜は病み上がりだから仕方がないのだろう。ただ鶴竜については前述の突然変異的な2度の優勝で横綱になった悪い例と思うので更に稽古を積んで横綱の責任を果たしてほしい。
6)他の大関について
 照ノ富士は怪我が治らず無理をしている。今の状態で負けこむ相撲を続けるのはファンに対して失礼だ。何とか勝ち越して大関の地位を守りたいという気持ちは分かるが、平幕もプロだからそれなりの力はありそれを許さない。まだ若いのだから大関から落ちても実力から考えて大関にカムバックは充分可能だ。親方と相談し、先ず、怪我の完治を考えるべきだ。中途半端に相撲を続けると却って怪我の悪化に繋がりかねない。
 琴奨菊は元の彼に戻ってしまった。あの優勝は何だったのだろう。
7)3役について
 関脇高安のレベルアップはどうやらホンモノのようだ。3役定着の力が付いた。一頃松鳳山と同格と見ていたが、かなり格差が出た感じがする。一方、宝富士も同様と見ていたが今場所は崩れた。ということは高安ももう一場所見るべきだろうか。悩ましい所だ。
栃煌山は限界なのだろうか。一頃豪栄道と大関を争っていたが今はその勢いはない。
8)前頭展望
 隠岐の海の成績をどう考えたらいいのだろう。横綱大関5人を倒して5連勝した時は優勝候補かと騒がれたが豪栄道に負けてから前場所までの隠岐の海に戻って、終わってみれば9勝どまり。気分の問題はあるのは分るがあまりにも極端な変化に驚いた。懐は深いし体は柔らかい。トップ陣を撃破できた自信をもっと強くもって來場所以降頑張れば大きな花が咲く可能性を秘めるが。
 遠藤の活躍が目立った。本来近い将来の3役候補だったが怪我で幕尻に下がっていたが、ようやくほぼ完治したということで今場所の成績となったと言う。豪栄道も怪我からの脱却で優勝したのと似ている。照の富士についても前述したとおりだ。怪我の影響は甚大だ。遠藤は来場所幕内上位に上がるだろうから横綱大関との対戦が楽しみ。
 御嶽海もようやく目立ってきた。正代はまだ甘さがあるが前半は上位に負けて0勝7敗だったが、後半は下位に7勝1敗で7勝8敗に留めたのは立派だ。このあたりで揉まれれば来年後半にはかなり強くなると思う。
 嘉風もかなりの力とスピードでいい相撲が多く、ファンを喜ばしたが、相手に研究され苦しく負け越した。何か工夫しないと伸び悩むだろう。
 妙義龍は怪我も治ったそうなのでもう少し活躍するかと期待したが負け越し。若手に追いつかれてしまったのだろうか。
 貴の岩がかなり力をつけた感じ。まだ立会いに甘さがあるが、伸びしろはありそうだ。
 琴雄貴も下位に下がったから星を残すがあまりにも単調な押し相撲だから3役に上がって定着するには何か工夫が要る。
9)十両展望
 豊ノ島は全休で来場所は幕下だろう。歳だからどうするのだろうか。心配だ。
 安美錦・千代大龍は幕内上位の経験ある人気力士だが怪我や病には勝てない。寂しい限り。
 宇良も負け越し。相手も研究するのだから、小兵力士としてはその上を工夫して乗り越えなければなるまい。
10)おわりに
 15日間満員御礼だったことは喜ばしことだ。今場所は豪栄道以外にあまり話題がなかったと思う。


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