バラク・オバマは大統領になったのも勿論凄いんですが、その前に上院議員になっている方が凄いという意見があります。たしかに合衆国上院は下院の定数435議席に比べ、各州2名の100議席と圧倒的に少ないのです。日本でも二世やタレント、またはスポーツ選手など特別な知名度を持った人は別ですが、参議院選挙は選挙区が広いために、徒手空拳の若手が選出されるのは至難の業といわれています。
ハーバード大学ロースクール在学中に「ハーバード・ロー・レビュー」の編集長を務めるのは、全米でも最優秀の証拠なんだそうですが、この危機的な時期に、文系で最も優秀という評価を受ける人物をきっちり大統領に選んでくる米国というのは、やはり底力があるといわざるをえません。
一方日本では、首相と野党第1党の党首が
「この人の話は危ない」
「チンピラの言いがかりみたいな話だ」
と、低レベルな罵り合いをしていますが、どっちもどっちという気がします。
でもそろそろ麻生太郎氏の「総理大臣ごっこ」に付き合うのは勘弁と思っている人が増加しているのは、最近の支持率低下でもわかります。しかし、一国のトップである首相は、常に一挙手一投足が注目されるとはいえ、こうも短期間で馬脚を現す人も珍しいですね。
麻生首相は、今世紀に入ってから、経済財政担当相→党政調会長→総務大臣(2回)→外務大臣(2回)→党幹事長(2回)と要職を歴任しています。安倍・福田のように当選回数が少なく、主要官庁の大臣を経験せずに首相になった「促成型」とは違い、政府や党の運営能力は最低限あると目されていたのですが・・・。
こうなると、それまでのキャリアが全部虚構だったのではないかという気さえしてきます。『自民党政治の終わり』で著者の野中尚人氏は、ある時期まで自民党の人材育成システムは機能していたと書いています。年功序列横並びのように見えて、当選6回の大臣適齢期までの修行期間において、政策理解能力や官僚とうまく協働できるか、党務に汗をかけるかなど、その過程で多くの人のチェックを経て幹部候補生が選別されていったのだと。
小沢氏の用いたチンピラという語は小物のくせに大物ぶる輩という意ですが、これまで周囲は「お坊ちゃん」麻生太郎氏を一見持ち上げていながらも、実はマトモに相手にしてこなかったんじゃないかと想像します。小泉内閣で重用されたのも、麻生氏の党内基盤の弱さだけでなく、その中身が空っぽなのを首相周辺が見切っていて、決して寝首をかくようなタマじゃないと判断した結果だったんでしょう。
こうしてみると、麻生氏に一番お似合いだったのはJC会頭のような気がします。JC(日本青年会議所)こそ、バカボンの集まりが「財界ごっこ遊び」をするサロンであり、麻生氏はここを足がかりに政界に入りました。今年の10月に浜松で開催されたJCの全国大会に、首相としてたぶん最初で最後の凱旋を果たし、後輩達と気分よく酔っ払っていた最中に、例の北朝鮮への経済制裁解除の連絡がブッシュから携帯電話に入ったわけです。
私の実家は自営業でもなく、高校を出てすぐに東京に出てきたので、JCなぞとは全く無縁の人生を送ってきたのですが、友人の選挙の応援をした際に初めて接触しました。何故こんなお遊びサークルのようなものが「社団法人」として認められているのか理解に苦しみましたが、商店主が候補者を囲むミニ集会というのを企画したかったので、仕方なく中学で同じ学年にいた男に会いに行きました。彼は熱心な活動家で地元のJCの要職に就いているらしいのですが、渡された写真入りの名刺に、街づくりナントカ委員会とか理事とかの肩書きが入っているのはいいとして、そのデザインが下手な新興宗教のパンフみたいな気持ちの悪い代物で、一瞬引いてしまいました。ホームページを見ても「こころ」(なぜ平仮名?)とか「愛情」とか「幸福」とかの羅列で(そのくせ中身がない)、お互いをホーリーネームで呼び合う」どこかの危ない教団を思わせ、こいつら一体何やってんだと呆れたものです。
地域の青年経済人(笑)育成のために、高い会費を払ってボンボンが集まり、色んな活動をするところらしいですが、入会資格の「品格ある青年」がジョークのように、JCのロム(各地域の単組)の中にはお行儀の悪いところもあり、研修旅行と称して女体盛りなど乱痴気騒ぎを繰り広げるなどは珍しくないそうです。本業そっちのけで昼間から各種会合に出たり、夜は週に10万円くらいのお小遣いが使える身分でないと、役職に就くのは難しいとも聞きます。でも、おバカな二代目三代目が、なまじ会社(お店)の中をうろちょろして従業員に迷惑をかけるよりも、いない方がまだマシだと考えて、親から「JCでもやってろ!」と云われ「専従」するケースもあるそうです。でもJCに使う経費は、キャバクラに行ったとしても交際接待費ではなく研修費に計上できることに批判の声もありますが、今は地域経済が疲弊しており、従業員の手前そんなお大尽は許されない雰囲気になっているかもしれませんが。
JCは40歳でご卒業となりますが、麻生氏は26歳で家業の麻生産業に入社してから39歳で政界進出するまでの13年間、JC会頭に登りつめるために相当な金と時間を遣っているはずです。クレー射撃の練習もしなきゃいけなかったし、実際ほとんど仕事していないでしょう。それなのに、やたら「私の経営者としての経験が~」と偉そうに語るのがイタいのです。ぼんぼんは、たとえ漢字が読めなくても、その陽気さや座持ちの良さなどの美点があるのだから謙虚になるべきです。
でも、こういう人を一国の首相にしといちゃダメでしょうね。
ハーバード大学ロースクール在学中に「ハーバード・ロー・レビュー」の編集長を務めるのは、全米でも最優秀の証拠なんだそうですが、この危機的な時期に、文系で最も優秀という評価を受ける人物をきっちり大統領に選んでくる米国というのは、やはり底力があるといわざるをえません。
一方日本では、首相と野党第1党の党首が
「この人の話は危ない」
「チンピラの言いがかりみたいな話だ」
と、低レベルな罵り合いをしていますが、どっちもどっちという気がします。
でもそろそろ麻生太郎氏の「総理大臣ごっこ」に付き合うのは勘弁と思っている人が増加しているのは、最近の支持率低下でもわかります。しかし、一国のトップである首相は、常に一挙手一投足が注目されるとはいえ、こうも短期間で馬脚を現す人も珍しいですね。
麻生首相は、今世紀に入ってから、経済財政担当相→党政調会長→総務大臣(2回)→外務大臣(2回)→党幹事長(2回)と要職を歴任しています。安倍・福田のように当選回数が少なく、主要官庁の大臣を経験せずに首相になった「促成型」とは違い、政府や党の運営能力は最低限あると目されていたのですが・・・。
こうなると、それまでのキャリアが全部虚構だったのではないかという気さえしてきます。『自民党政治の終わり』で著者の野中尚人氏は、ある時期まで自民党の人材育成システムは機能していたと書いています。年功序列横並びのように見えて、当選6回の大臣適齢期までの修行期間において、政策理解能力や官僚とうまく協働できるか、党務に汗をかけるかなど、その過程で多くの人のチェックを経て幹部候補生が選別されていったのだと。
小沢氏の用いたチンピラという語は小物のくせに大物ぶる輩という意ですが、これまで周囲は「お坊ちゃん」麻生太郎氏を一見持ち上げていながらも、実はマトモに相手にしてこなかったんじゃないかと想像します。小泉内閣で重用されたのも、麻生氏の党内基盤の弱さだけでなく、その中身が空っぽなのを首相周辺が見切っていて、決して寝首をかくようなタマじゃないと判断した結果だったんでしょう。
こうしてみると、麻生氏に一番お似合いだったのはJC会頭のような気がします。JC(日本青年会議所)こそ、バカボンの集まりが「財界ごっこ遊び」をするサロンであり、麻生氏はここを足がかりに政界に入りました。今年の10月に浜松で開催されたJCの全国大会に、首相としてたぶん最初で最後の凱旋を果たし、後輩達と気分よく酔っ払っていた最中に、例の北朝鮮への経済制裁解除の連絡がブッシュから携帯電話に入ったわけです。
私の実家は自営業でもなく、高校を出てすぐに東京に出てきたので、JCなぞとは全く無縁の人生を送ってきたのですが、友人の選挙の応援をした際に初めて接触しました。何故こんなお遊びサークルのようなものが「社団法人」として認められているのか理解に苦しみましたが、商店主が候補者を囲むミニ集会というのを企画したかったので、仕方なく中学で同じ学年にいた男に会いに行きました。彼は熱心な活動家で地元のJCの要職に就いているらしいのですが、渡された写真入りの名刺に、街づくりナントカ委員会とか理事とかの肩書きが入っているのはいいとして、そのデザインが下手な新興宗教のパンフみたいな気持ちの悪い代物で、一瞬引いてしまいました。ホームページを見ても「こころ」(なぜ平仮名?)とか「愛情」とか「幸福」とかの羅列で(そのくせ中身がない)、お互いをホーリーネームで呼び合う」どこかの危ない教団を思わせ、こいつら一体何やってんだと呆れたものです。
地域の青年経済人(笑)育成のために、高い会費を払ってボンボンが集まり、色んな活動をするところらしいですが、入会資格の「品格ある青年」がジョークのように、JCのロム(各地域の単組)の中にはお行儀の悪いところもあり、研修旅行と称して女体盛りなど乱痴気騒ぎを繰り広げるなどは珍しくないそうです。本業そっちのけで昼間から各種会合に出たり、夜は週に10万円くらいのお小遣いが使える身分でないと、役職に就くのは難しいとも聞きます。でも、おバカな二代目三代目が、なまじ会社(お店)の中をうろちょろして従業員に迷惑をかけるよりも、いない方がまだマシだと考えて、親から「JCでもやってろ!」と云われ「専従」するケースもあるそうです。でもJCに使う経費は、キャバクラに行ったとしても交際接待費ではなく研修費に計上できることに批判の声もありますが、今は地域経済が疲弊しており、従業員の手前そんなお大尽は許されない雰囲気になっているかもしれませんが。
JCは40歳でご卒業となりますが、麻生氏は26歳で家業の麻生産業に入社してから39歳で政界進出するまでの13年間、JC会頭に登りつめるために相当な金と時間を遣っているはずです。クレー射撃の練習もしなきゃいけなかったし、実際ほとんど仕事していないでしょう。それなのに、やたら「私の経営者としての経験が~」と偉そうに語るのがイタいのです。ぼんぼんは、たとえ漢字が読めなくても、その陽気さや座持ちの良さなどの美点があるのだから謙虚になるべきです。
でも、こういう人を一国の首相にしといちゃダメでしょうね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます