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リーマンのCDS清算入札の帰趨とヘッジファンドの行方

2008-10-21 07:32:18 | 株に出会う
今日行われるリーマン・ブラザーズ破綻に伴うCDSの清算ですが、債権を保証したところは4000億ドル契約の91%相当を支払わなければなりません。そのうち3分の1はヘッジファンドです。

もちろん、かなりのポジションは差し引きされているので、60億ドル程度の支払いで済みそうだとの見解もありますが、それは信用できないとの意見もあり、その場合2200億ドルから2700億ドルになるとの憶測もあるようです。

要するに、CDSの1つの茎が蒸発してしまったのです。その茎がどことつながっていたのかは誰にも分からない、この不透明性が金融市場に真の疑心暗鬼を引き起こしている張本人ですね。

しかも、今回はヘッジファンドのかかわり比率は3分の1ですが、全体の54兆ドルCDS市場のうちでは6割にもかかわっております。

このヘッジファンドは当然ながら財務省・FRBの救済対象外です。全体で約2兆ドルもの資金をCDSを始め様々な金融商品で10倍から20倍のレバレッジをかけて運用しております。うち1兆ドルは借金。10倍のレバレッジでもその借金分だけで1000兆円。その他1兆ドルの預かり資産に対する顧客からの矢のような解約要請に対するキャッシングで、それこそ死にものぐるいに売れるものから売ってきたのが、これまでの株価暴落の背景ですが、年初来の運用成績が9月末で-9.4%という最悪の運用成績では、もはやヘッジファンドは見放されるのもやむを得ません。10月はもっと酷い成績でしょう。これは平均値ですから、唯一+20%程度の運用成績を上げている「空売り専門のヘッジファンド」を除いては、20-30%もの成績の悪化に見舞われているファンドがざらにあることになります。レバレッジ10倍の1000兆円の20%の2兆ドル=200兆円もの損失です。顧客からの預かり資産の1兆ドルは、かなりのファンドでとうに吹き飛んでいることでしょう。

ヘッジファンドの実態を示す情報はあまり世をにぎわせておりませんが、これが隠れた市場の波乱因子であることには違いありません。大きく崩壊する予兆を事前に何とか見出したいものです。

特に、年度末を控えて、11月中旬までには思い切った処理に追い込まれるヘッジファンドが相場の波乱の目になることでしょうね。

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