株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

一貫しないアメリカ政府

2008-09-17 11:17:15 | 株に出会う
一体、アメリカ政府と金融当局の今回の金融危機に対するスタンスは何なんでしょうか?

前場の後半にかけての上昇は、FRBがAIGの救済策を発表したことにあります。融資額は最大で850億ドルという気が遠くなる数字です。代わりに全資産がFRBの担保として提供されております。

ベア・スターンズは吸収させ、リーマンは潰し、住宅公社は救い、AIGは国有化しと、まるで支離滅裂で分裂症気味です。

大きすぎるのは潰せないというのは、モラルハザードを強調したリーマンの時の言と矛盾しやしませんか?

モラルハザードを問うなら徹底的に問うべきです。そもそも、リーマン・ブラザーズにしたって、もちろん住宅公社の幹部もAIGも同様ですが、何千万、何億、そしてCEOのボーナスに至っては100億を超える金額を受け取っていたのです。それを過去に遡って全額返還させ、現資産を担保に取り押さえるぐらいのことをしても、誰も文句は言いません。

それができないのなら、中途半端にモラルハザードなどと言って欲しくはないのです。もし、金融システムそのものを断固守るのなら、何故リーマンを破綻させて、これだけの混乱を招いたのか、FRBもポールソンもきちんと説明すべきですね。

要するに、彼らには一貫した思想も気位も度胸も何もないことがこれで明らかになりました。あの能天気なカウボーイ気取りのブッシュの部下だけのことはあります。

前場は、この上昇気流が巻き上がる前に、とりあえず、四季報で利益を上方に切り上げている9793ダイセキの半分を利確した他は、すべて戻り売りしました。綺麗さっぱり身軽になりました。

このまま11690円以上で終われば、とりあえず、黄金分割比率は下から上に抜けたことになります。また45年移動平均値も上回ったことになります。

しかし、リーマン・ブラザーズの「怨念」がどこかで火が噴く可能性がまだ残っております。ディリバティブの清算に伴う混乱が見られなかったとの市場の受け止め方がありますが、わずか2日程度で実態の把握が済んでいるとは思えません。これから、髑髏のような膿が湧き出てくる可能性は十分にあります。

それから、AIGにしても土壇場で政府の庇護の下に入りましたが、これが格付その他にどういった影響を及ぼすのか、それがCDSのプロテクションを行っている他の投資銀行や、今のところトンと悪い噂を耳にすることがなくなっている、大御所のシティバンクに対してどう影響するのかの見極めが残っております。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の節目の値段 | トップ | 市場概況(9.17.08) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

株に出会う」カテゴリの最新記事