あれこれ思うがままことのは

日々、感じたこと思ったことを語ります。季節や花、洋服のこと、時々音楽や映画かな。

「天井の舞 飛天の美」展

2013年12月22日 | 観たこと思ったこと

      
    
「天井の舞 飛天の美」展を観に、サントリー美術館へ。
仏像のまわりに配された天女のような人たちを飛天と呼ぶそうだ。
平等院鳳凰堂 修復期間中の今、ここ東京でそれらの拝観がかなう展覧会である。

なんといっても、近い。
本来なら大きな仏像の頭上や後方に飾られているのを、目の前で見られるのだ。
木彫の美しい木目、やわらかな彫りの表現を目の当たりにする。
それぞれに舞い、踊り、楽器を奏している天人たちは自由でおおらか、とても優美だ。
年輪の細かさにいったい何年ものの木を使用したのだろう、と思う。
優雅な造形にどれほどの技が集約されているのだろう、と思う。
これらの菩薩像たちがお里帰りし、落慶を迎えた平等院に足を運んだとしても
こんな至近で見ることは出来ないのだなぁ。貴重な拝観。

そして、このたびの特別な企画として、「結縁像」がある。
ガラスケースの中に手を入れて、雲中供養菩薩像に触れることが出来るもの。
そっと触わった、丸みのあるしなやかな像はほんのり温かだった。

飛天つながりで、薬師寺東塔の「水煙」も展示されていた。
昭和27年に作られた模造ではあるけれど、本来なら塔のてっぺんにあって
細部をみることが叶わないもの。
舞う飛天の姿が人魚を思わせる、意匠に富んだ鋳造だ。
地上からの目には映らない部分にさえこんなに美しい製作物を使用したのだ。
神社や仏閣は宮大工や仏師のみならず、塗師、蒔絵師、鋳物職人、絵師、他にも
多くの芸術職人たちが負けじと腕をふるう、技の競技場なのかもしれない。
そんな切磋琢磨を想像すると、なんだか鳥肌が立つ。


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2 コメント

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Unknown (marble)
2013-12-23 08:56:26
1年ほど冬眠していました。(笑)
さっき、こらるさんの1年分の記事を遡ってきました。
ニューシネマパラダイスの最後のシーンさながら
どの記事も外せないオンリーワン。
2013が素敵な年だったことが分かりましたよ。

2014もこらるさんの’お散歩’のおすそわけ
楽しみにしています。
marbleさま (こらる)
2014-08-06 22:36:20
半年以上、放置したまま離脱しておりました(笑)
身にあまるコメントをいただいていたのに今日まで気付かずごめんなさい。

どうもありがとう。

先日のパリでの再会はとっても素敵な出来事でしたね。
marbleさんの勢いと勇気と友情に感謝です。
そちらでの日々も残りスリーシーズンね、どうぞ佳き‘お散歩’を。

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