あれこれ思うがままことのは

日々、感じたこと思ったことを語ります。季節や花、洋服のこと、時々音楽や映画かな。

春終わり、部屋のなかの定位置

2020年05月14日 | ものや道具たち

最初のころはそれなりに少しは楽しい響きだった「おうち時間」という音感にもそろそろ辟易気味。
もっぱらの楽しみは配信の映画やこんな事態でもなければ公開されないバレエ公演のコンテンツなどを観たり、近所の本屋も図書館もクローズしているためよほど絶対間違いないと思える本をネット購入する以外は家にある本たちをもう一度読み返したり、ひとつ前の記事で書いたように着るものに気持ちを入れてみたり、お菓子を焼いてそれぞれ地方に住む息子たちに送ったりと、どれもゆるい能動活動。「
こんな豊富に時間があるのだから、自分を成長させる何かに打ち込んでみよう!」なんて、意識高い啓発をしてくる多々の情報をきれいにスルーして、楽な方向にばかり手と身体が向かっているという次第。


幸いささやかな我が家の庭でも緑は日に日に深くなり花々が顔を覗かせ、萎えそうな気持に潤いを与えてくれる。その庭に面した居間には小さなサンルームがあって、そこでだらだら過ごすのが晴れた日の冬の昼間やすがすがしい春秋には至福なのだが、夏日も増えてきてここで過ごすのも厳しくなってきた。今シーズン気に入ってチェアに敷いていたオーガニックシープスキンにも、しばらくお休みをあげなくてはいけない時期かな。アイスランディックシープという古くからアイスランドに住む長毛の羊で、これまで破棄されていた食用羊の毛皮を使用しなるべく化学的な工程を踏まずに仕上げているのだそう。自然のままだからか少々羊らしい匂いもしていて瞬間彼が生きていたことの確かさを突きつけられて動じてしまうのだが、これも命の恵みを受け取らせてもらっているのだとその都度頭を垂れる気持ちでまた椅子にうずくまるのだ。
もうしばらくは一緒に夏のはじまりを過ごそう。
 
                  


キリムはじめまして

2019年08月27日 | ものや道具たち

この夏の始まりの頃、リヴィングのカーテンを新しくした。むかし家を建てたのに合わせてイルムスで作ってもらった白地に幾何学模様のものから、サンドべージュのリネンに変えた。色合い的には同様なのに、無地になったせいで部屋が広く感じられたりずいぶん印象が変化した。
何事もそうだけれど、ひとつ何かを変えると他のものや他の場所を変えたくなる。
ここはそろそろ...とかねてから手に入れたいと思っていたキリム。
欲しいなと思い始めてから数年は立つのだけれど、なにしろ織られた地方もいろいろあって、ヴィンテージものから新しいもの、織りの技術の良し悪し、目が飛び出るほど高価なものからお手頃な価格のもの、素人目になかなか見分け方が難しい。それで選ぶときは、ある水準の審美眼を通過した上で品物と値段の相応のチェックがされているだろうインテリアショップのセレクトに信頼を置こうと決めたおり、そのなかでテレンス コンランのショップのキリム・ラグのコーナーが比較的いつも私の好みのものが置いてあると感じて、機会があるたびに店頭を見たり店員さんに品物について尋ねたりしていた。
そうして、縁を感じて我が家に来ることになったキリムは90cm×190cmの長方形でまだ新しいもの。
ソファにかけても様になるし、無造作に床に置いてもいい感じ。
使い込んで柔らかくなっていくのも、色褪せしていくのも楽しみ。
出来ることなら世代にまたがって使われて、オールドキリムにあるように繕いも歴史のひとつになって受け継がれたりしたら良いなぁ。
まずは、私のうちでこの世代として存分に愛してあげなくっちゃ。
   

 
    


キッチンのスーパーマン'S

2017年12月02日 | ものや道具たち

       
ここ最近、家電ではS社の無水調理器Hというのが売れているらしい。
たしかに、時間管理も熱加減もスイッチボタンひとつでお任せ調理が出来るようで、
忙しい主婦主夫にはお助かりの道具だ。

でもたぶん、我が家でそれに負けないくらいの実力で実績を上げてくれているのが、
いついつでもわたしを助けてくれるスパーマン、圧力鍋のコンビ。
それぞれ20年、15年と長きにわたって、朝晩に白米を炊くのから日々のおかずまで毎日フル稼働で働いてくれている。
白米を炊くのも10分くらいと仕事が早い。付け置きなしでふっくらおいしいお米ができるし、
うっかり寝坊して慌ててお弁当を作るときは、あぁやっぱり炊飯器で炊けたら楽なのにと思うこともあるけれど、それでも最高火力で炊き始めればあっという間に圧がかかり始めてなんとか間に合わせられるも多々。忙しい日の肉じゃがも3分で味の染みたものが出来上がるし、大きな塊り肉の煮込みも50分くらいで柔らかいほろほろになって食卓を彩ってくれる。
ほんとうにスーパーマン!いつもありがとう!

圧力鍋もいろんなブランドのものがあるけれど、わたしのおすすめはラゴスティーナ。
WMFやT-falも持っているけれど、ラゴスティーナには摩耗しやすい鍋と蓋の間のゴムパッキンの部分が無いのが特徴。修理に出したこともなく丈夫、イタリア製なのに!笑。
付属品が少ないので洗うのも楽でよし。
5リットルものと3.5リットルもの、目下このふたり無くしては我が家のごはんは無い。


鶏料理のとき困るかしら

2016年01月18日 | ものや道具たち



雪が積もった。
しんしんと降りつづくなかまだ雪かきも出来ず、買い物にも出られず。
そうそうこういう日のためにやろうと思っていたこと。
買い置きしてあった布でエプロンを作る。
フランスstof社の、にわとりモチーフ生地、
すこしふてぶてしいような鶏の表情が好みで買ってあったものだ。

同じ大きさ同じ色の結び紐なので洗い換えのとき困らないように、
それぞれグレーと紺の目印をつけた。

ミシン作業のBGMのお供には「STAN GETZ PLAYS」。
テナーサックスのなめらかな音色と機械が針を打つ軽快音が気持ちよくマッチする。
CD1枚37分27秒、ちょうどエプロン1枚を作るのと等しい時間だった。
2つ目を作り始めるときリピートが始まって、完成したときにかかっていたのは
「THANKS FOR THE MEMORY」、
新旧交代。
旧エプロンたち、ありがとう。思い出にさよなら、ね。


ガラスのコンポート

2015年08月11日 | ものや道具たち

一年を通して我が家の出番ランキング上位の常連はこのガラスのコンポート。
わたしはもとより息子たちもシリアルをよそったりアイスクリームを盛るのに自らチョイスしていることが多い人気者。
      
大きさ直径11センチ、通常サイズの市販のプリンなどがちょこんといい感じで載るくらい。
息子たちも小さい頃ならしっくりくる大きさだったはず、でも身体が大きくなっているから、側で見ているとなんだか妙なバランスに思えて笑えてしまう。でも本人たちにしてみたら、いつものコレ、という感覚なんだろうな。気兼ねない普段のおやつをよそうのにいくつになったらこのサイズにしましょうね、なんて器を切り替えるそんなタイミングなんてないのだもの。
わたしの勝手な感じ方を知りもしない彼ら、また今日もこの器に作り置いてあったゼリーをよそい大きな手の平にのせてせっせと口に運んでいた。大人がままごと道具で遊んでいるみたいなちぐはぐに、こっそりクスクス。

さかのばること18年。この器はNZにお嫁にいった親友を訪ねた折に、彼女の住む街の骨董屋さんで買ったもの。ちょうど4つ揃っていて、どこか懐かしい切子模様と三つの脚にこころ離れがたく日本へ持ち帰ってきて以来、重宝に食卓を彩ってきた。
NZの地にたくましく根を張る彼女の生活もいま穏やかに時を重ねているようで、長らく便りをいくら出しても音信不通だったのが、この頃は折りにふれメールをくれる。彼女の心身の健やかさを表していて、そのことが何より嬉しい。
使うたびに、かの地での友の笑顔を思い願い描いてきたから、今年の器はまた格別で。