はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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本稿は以下の続きである。
07-12-5 「因果」を考える

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仕事の事情に加えて、風邪(?)を長引かせたこともあり、間を開けてしまったところが、、大晦日を迎えるに至ってしまった。夜が明ければ親戚がらみの小旅行なのだが、前回の記述で止めたまま年越しでは気分が良くないので、少しだけでも記述することにした。
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先ず、「BがAに依存する(依る)」とは何かと言えば、これは、二つの物理量AとBを結びつける(物理法則としての)関数式が存在することとほとんど同義である。例えば天秤やテコやシーソー等の左右の動きが連動している状況を考慮の対象にするとき、「右側の動きは左側の動きに依って決まる」という関係が認識されると同時に「左側の動きは右側の動きに依って決まる」という認識も成り立つ。

具体的な物理法則の中で、最も基本的な典型例となるのはオームの法則だろうか。


V は 抵抗の両端電圧、RV が生じる部分の抵抗値、IR を流れる電流値)

抵抗と電流に依って電圧降下が決まるし、また、抵抗と電圧に依って流れる電流が決まる。非線型抵抗素子の場合には、電圧と電流の動作点条件に依って実効抵抗が決まるというケースも起こる。いずれにしても、オームの法則自体は、何らの因果的な方向性を示していないことに注意しよう。

物理量の関係としての物理法則は、それ自体のみでは、因果の意味をもたらさないのだ。
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