はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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寄り道的な雑考です。科学・技術的に十分吟味した内容ではないことをお断りしておきます。

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地表にへばりついて生きている人間が、自身にとって快適な温度より数Kほど高い(低い)からという理由で、化石物質を燃やすことで、自分たちの巣の空調をしている。どう考えたって、どこかに無理がくる。

しかし、地表から離れれば、熱エネルギーはほとんど無尽蔵にある。地中の自然核反応による熱だ。

日本では、それほど深部に行かなくても、上昇してきたマグマだまりのおかげで、この地熱が取り出しやすい。これを使わぬ手はない。ただし、ボイラー-タービンでの発電にこだわっていると、地熱の利用はうまく行かないと思う。取り出す蒸気の条件がタイトで、手の届かない地下設備まで含めた、長期運転のデザインとリスク管理は、非常に厳しいと思われる。

地下の熱エネルギーを直接化学エネルギーに変えて、エネルギー密度の高い物質として取り出すのが最善だろう。

例えば、高温岩体の熱を使って、水を熱化学分解し、水素と酸素が取り出せれば、、と思う。ただし、現状の水の熱化学分解の条件温度はまだ高すぎるし、反応も複雑だ(化学反応としてはシンプルだが、地中で粗っぽく起こさせるのには向かない.)。固体触媒などを使ったうまい熱分解反応が見つかり、3、400℃でも水素を発生させられるようになれば、飛躍的に現実味が増すと思うのだが、、。

高温岩体発電技術の解説/AIST-NIRE(産業技術総合研究所-資源環境技術総合研究所)

水の熱化学分解-補足説明/日本原子力研究所

高温岩体発電研究」のあゆみ(PDF)/電力中央研究所

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シュレッダーにより子供の指が切断される事故が相次いでいるそうだ。

シュレッダー事故、子供の指切断相次ぐ: nikkansports.com
シュレッダーで子供の指切断、新たに2件 - 社会ニュース : nikkansports.com
紙用シュレッダーによる幼児の指切断事故の再発防止について(注意喚起)/製品評価技術基盤機構

(はじめに上の報道を見て、「先の警告が活かされずに被害を増やしている」旨コメントしたが、正しくは、事故が追加報告されたという意味で、ごく最近事故があったわけではなかった.しかし、話の本筋は変わらないので、以下の記述は変更せずにおく.)


指が入らない構造を考案・採用するのは難しくないだろう。その線でメーカーも対策を進めているのだろう。しかし、(利用者の一人として)何か基本的なことが落ちている気がする。以下の2つだ。

(1) シュレッダーの使い方と給紙方法に根本的な変更余地はないか
(2) 現存装置が使われる間はどうするのか


私について言えば、大学の授業関係で、古い試験の解答用紙を破棄するのにシュレッダーは役立っている。使用はたまであるが、そのたまの操作は結構苦痛だ。1度に投入できる枚数が制限されていて、適量ずつ手で分けて入れなければならない。シュレッダーにかけるということ自体、後ろ向きの作業であるから、いちいち紙が砕かれる瞬間にお付き合いなどしたくない。

書類ロッカーの戸棚のような所にドサッと適当に放り込んで蓋を閉じておけば、あとは人がいないところで自動的に適量ずつ給紙され、処理されるような方式の方がずっと良いと思う。こうすれば、投入孔などは無くなり、指を入れてしまうという事故も根絶される。さらに言えば、自動処理の時間帯を夜間に設定することで、電力の有効利用や電気代節約にもなるという利点もある。


さて、改良版の機械を開発・販売したとしても、現存のシュレッダーがそれに置き換わるのには相当な時間がかかる。人体を傷める危険があるわけだから、今すぐの運用の仕方の変更も検討すべきだ。これにも(1)と同様の考え方が使えると思う。

専属の操作員がいるような場合を除いて、シュレッダー機を常にスタンバイしておき、書類を持っていく都度作動させるという使い方をやめてはどうだろうか。「シュレッダー送り」とでも表示した箱に廃棄書類をドサドサ入れておいて、休み時間とか1日の最後に、当番の人が電源を入れまとめて操作するというので十分ではないか。特に、子供が触れる可能性がある環境で使用する場合は、電源コードを引っこ抜いておくことが事故防止に一番有効だと思う。

もちろん、処分の緊急性や機密性が非常に高い場合には適さないだろうが、普通の会社であっても、そのようなケースはそれほど多くないと思うがいかがか(緊急の要があれば、そのとき臨時運転すればいいわけだ)。

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〔付記〕
上述のように、大人はシュレッダーの作業を苦痛に感じる。一方、子供は、シュレッダーの動作を純粋な好奇心の対象で観る。このことが、ついつい若年者に操作を頼んでしまうことの原因になってはいまいか、、、(自動給紙方式を提案するベースにこういう思いもあった.)

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大分以前には、電話機に、通話の際に最低料金の電話会社を自動的に選んでくれるLCR(Least Cost Routing)という機能があった(後に、ACRに変わり、マイライン制度の開始で意味がなくなり、さらにIP電話と携帯全盛の今ではほとんど死語なったようだ.)。

さて、ここで、給湯器や調理器具などが消費するエナジーコストに目を転じてみよう。給湯器やガス調理台などは、最初にガス型なり電気型なりの種類を決めて導入すると、後々ずっと選択の余地なくそのエナジー・燃料を使い続けることになる。ガス型、電気型などの製品はメーカーの系統が妙に保守的に区別されていて、しかも、電力会社は「オール電化」などという言葉をつくって排他的姿勢を露骨にしている。

さらにまた、電気料金については「昼夜帯別」というのが選択できるようになっているが、これが何と、夜間に安くなる分だけ昼間は割高になるのだ(時間帯別電灯-関西電力の例)。低価格の夜の分だけを使いたいのだが、各器具のエナジー源が固定されているので、結局、昼夜両方使うことになってあまり意味が無いことになってしまう。

そう、競争が叫ばれる今の社会で、エナジー・燃料の種別間の競争がほとんど無効になっている!これはどうしたことか。

各家庭には、大抵、風呂沸かしと給湯のための集中給湯器がある。毎日長時間運転するものだし、また一度買えば何十年も使うものだ。少なくともこれは、複数のエナジー源・燃料に対応させて、昼夜の料金別を含めた時価を判断して、自動的に各時間帯のLC選択を行なうシステムにすべきだ。そうすれば、エナジー源種別(夜間電力,都市ガス,LPガス,灯油,等)間の価格競争も起こり、電力やガス業界の無駄も淘汰されるはずだ(私にしては珍しく競争淘汰推進!)

世の風潮に頼らず、自分の目でおかしなところを捜すと、今の「改革」が妙に偏ったところに目を向けさせるものであることに気づく。

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しばらく間が空いてしまいました。
今回は、少し趣向を変えて、技術的な提案をします。
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最近(恐らくは)省エネルギーの観点から自動運転タイプのエスカレータが普及してきた。また、自動扉はかなり昔から普及している。どちらも使用に入ろうとする人間の存在をセンサーが捉えて動くシステムである。

これらの稼動状況を見ていると、電力負荷および、機械系への負担、いずれの観点から見ても、非常にまずい動作をしている。

前の人とある程度は離れているが、明らかに次に使うと思われる人がいる場合でも、一旦止める(閉める)動作が行われてしまう。最悪の場合の例は、自動扉が閉まりつつある途中で次の開く動作に移ることだろう。このようなときは、電力的にも機械的にも強烈な負荷がかかり、電気の無駄遣いと機械系の傷みを早める結果を招いていると思われる。

機械的なスタート・ストップを人感センサーによって行うシステムにおいては、人のセンサー機構とon判断のアルゴリズムのところに、「候補センス」と「確定センス」の二段階の要素を取り入れるべきなのだ。

「候補センス」は、ある程度広い範囲の人の動きを捉える。必ずしもドアを通らないかも知れないが、ドアに向かう可能性のある人を察知し、(例えば)offへ切り替える時定数を長くし、(場合によっては)onへのスタンバイ動作の指令を出す。この情報を受けた状況下で、確実にドアに向かう人を捉え「確定センス」として、on動作に移ればよい。

原始的なものから、人の流れの方向や候補者増減などまで判断に取り入れる凝ったものまで色々考えられるだろうが、上記の考え方を基本とすればよいはずだ。これを取入れれば、大抵の人感センサーによる自動運転系で、省電力と故障を減らす両面の効果があるはずだ。

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〔追記〕
電力節約のため、シャワー洗浄トイレにおける、便座を暖める機能や温水のスタンバイにも、候補センスを取り入れるべきだろう。廊下の人の動きを感じてヒーターをonすればよい。
さらに、家に人が居るか居ないかを察知して、湯沸し器の種火を止めたり、IT機器(特に無線LANなど)のスタンバイ状態の電力レベルを下げるなどを行うことが望ましい。人の不在の判定には、狭義の人感センサーだけでなく、照明のon/off変化、水道水流の変化、なども利用できるだろう。

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