maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

07-う~、言葉が-U.S.A.1964-No.7-再録

2022-04-11 15:42:27 | 虚々実々-U.S.A.-1964

家に着いた!

↓これが絵日記の原本。
アメリカへ到着、Mr. Roger 家の初日、あてがってもらった部屋の配置の絵付です。

家の前の歩道で車から降りて、荷物を出してもらおうと身振りをしたら、手まねで先に家に入れ(多分)という素振りです。
見ていると、デッカイガレージの扉に手を掛けたかと思うと、バカッと天井の方に滑り込んで開きました。
アメリカって、すごいなぁ!一体どういう仕掛けになっているのか?
玄関の扉は網戸がセットになっています。
入ったところがソファやTVが置いてあって、ひとまずそこに落着きました。

「You エフィ?you コラリア and you Mr.Roger」と名前を再確認。
「私は(My name is) 〇〇〇です」て考えたら知ってますよね。

「お茶、コーヒーそれともミルク?(Tea?、coffe? or milk?)」milk を言う時にエフィが一拍おいて、ニコッと微笑んだ。
改めてみると小柄な優しそうな人。
「お茶をお願いします!(Tea please!)」
「ブラック?グリーン?(Black?green?)」
え~、Blackって何やろ黒?、コーヒーやろか?ティーいうた筈やけどなぁ...。
Green?て緑茶やろうか?緑茶がアメリカにもあるのかなぁ?
判らないまま、「ブラックをお願いします。(Black please)」
出てきたのは紅茶!そうか Red tea とは言わへんのか!
こんな事も知らんかったんか...。
そうするとGreenも緑茶とは限らんぞ、
「グリーンティを見せて下さい。(Let me show the Green tea, please.)」
「欲しいの?(You wont?)」
「いえ、見るだけです。(No just look, please.)」
「もっと気楽に、自分の家の積りで、一々プリースって言わなくても良いのよ。(Oh keep yourself easy!Make yourself at home. "Please" is unnecessary.)」
「はい(I see), エフィ.」
ワッ、嬉しい!会話になってるみたい。
とコラリアが何やら長い言葉で問いかけて来ました。
アカン、全く聞き取れません。
一時の安堵は儚く消えうせました。

エフィがTea Bag を持ってきました。
何と Lipton の Green tea!どんな味がするんでしょうね?

お茶を頂くと奥の部屋に連れていかれました。
ロジャーが何時の間にかスーツケースを運んでくれています。
左の壁際にベッド、小さな机と鏡のついた低い箪笥が有ります。
どうやらここが私の部屋。
家の中を案内してもらいました。
隣はコラリアの部屋、バスルーム、寝室と続いています。
居間のつながりに、大きなテーブルと椅子が6つ置いてあるスペースが有ってここが夕食の場所。
左手のドアを開くと台所。
台所からガレージに続くドアが有ります。

アッ!お土産...。
慌てて部屋に戻って、極秘の計画があるので、持ち物が際限なく増えてしまった大荷物のスーツケースから、お土産を取り出しました。
出発前に、舞扇、風呂敷等を親父が用意して「餞別代わりや」と持たせてくれたんです。
身元を引き受けてもらったロジャー家には特に浴衣も用意してくれました。
「着いたらスグにお渡しせえよ。祝儀とお土産は早よ渡さんと値打ちが無い」と言われてたんです
それまでの私の人生では、お土産を持って何処かに行くという経験が有りませんでした。
到着以来、頭の中は大恐慌をきたしていて、お土産どころではなかったので、完全に忘れていました。
前もっての礼状で、年齢、性別、家族構成、趣味等々書いた積りですが、さて何処まで通じていたのか?

お土産を持って居間に行って、「お土産です(Presents for you.)」と渡しました。
即座に包装を取って浴衣を羽織って、扇子をTVの上に飾ってくれました。
風呂敷をスカーフのようにするので、
「No, no!」とそばに有った本を包んで見せました。
「Oh~!」と判ってくれたみたいです。
テーブルには、お茶とメモ帳、ボールペン多数が載っています。
私がお土産を探している間に、あの困った日本人と意思を通わすにはどうしたら良かろう?
多分、筆談が有効で有ろう、と考えてくれたようです。
英語がロクロク話せないのが転がり込んで、ご迷惑をお掛けします、ゴメン..。
それでは、と又部屋に取って返して英和辞書を持ってきました。
先ずは名前の確認。
旦那さんが「Roger(ロジャー)」これは知ってた。
奥さんが「Efftifire(通称エフィ)」
娘さんが「Coralia(コラリァ)」

さて自分のことを説明しようとして、和英辞典を持ってきていないのに気がつきました。
どういうわけか、高校に入って以来、あんまり和英を使った記憶が無いんです。
中学で買ったのが、ほとんど新品であります。
船に乗っていても、英語で書かれた書類を解読するばかりで、こちらが書くのは乗組員名をローマ字で書くぐらい。
他の単語は代理店から渡された書類に書いてあるのを写すだけで、辞書の必要は無し。
これは参ったぞ...。
知っている単語を総動員して頑張ったけど、何とか解ってもらえたかなぁ?
コラリァは大学2年生、と言う事は1つ下か同い年かと思ったら、2つ下。
成績がよいと早く進学できるそうです。
ここで、どうしても解らない単語が出てきた。
そうや!辞書を相手に渡して引いてもらったら良いのです。
これで和英無しでも何とかなるぞ!
コラリァが辞書で指差したのは「奨学金」。
大学はスタンフォード。
普段は寄宿舎に入ってるんやて。
今は夏休みで、たまに学校に行くけれど、ほとんど家にいるらしい。
名前を聞いたことが有るなぁ、ひょっとして凄い良い学校と違ったかなぁ。
1浪して船員してたのとえらい違いです。

こちらの英語の程度が飲み込めたのか、ゆっくり、はっきり、簡単な単語を選んで話してくれているようなので、だんだん聞き取りやすくなってきました。
お昼になったので、エフィがツナサンドを作ってくれました。
少しボソボソとした感じのパンにたっぷりの具で美味しい事この上なし。
問題のミルクも頂いて、少しホッとしました。
呆然としていると。
「眠い?(You sleepy?)」とエフィが手を合わせて眠るジェスチュア。
この満足に言葉を喋れない日本人と、何とか思いを通じさせようとしてくれているのが、良くわかります。
「はい、ありがとう。(Yes、thank you!)」と休ませて貰う事にしました。

チョット休む積りで、着替えもせずにベッドに寝転がったと同時に、瞬間的に熟睡したのか意識不明。

【ボヤキ】
う~..。これは困った。
会話の部分が、いかにもグジャグジャしてるなぁ。
原本は間違いだらけの英語で書いてあるけれど、そのままでは子供どころか、大人でも判らんやろうしなぁ..。
英語と日本語を、どうバランスさせて書いたらエエんやろ。
18禁の部分も無いとは言い切れんしなぁ....。
文体も混ぜこぜやがな、素人のオッサンやねんから、まぁエエか。
「人には厳しく、自分に優しく」これで行かんとしゃあないねぇ。

2003/03/06:初出
2022/04/11:再録

ロンて誰?-U.S.A.64-08
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