maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

03 あれよあれよと時間(トキ)は過ぎ

2006-05-19 17:58:50 | 虚々実々-心筋梗塞顛末記

「移動します、セェノォ!」とストレッチャーに移されて、来る時よりは格段に穏やかに処置室を出ました。
「セェノォ!」の掛け声が何やら親しみが有って嬉しかったですなぁ。
出た所のエレベーターに乗って2階へ。
ベッドに移されて電線、酸素等々をつなぎおわった頃に、カミさんが病室に入ってきました。

「何時?」「13時30分」思いの外時間掛かったんですねぇ。
カミさんは、その間入院手続きをした後食事もせずに、4階の家族待合室で待ってたんやそうな。
ドタバタが一段落して一人になったら心細かったやろね、心配させてしもてすまんなぁ。

朝飯も食べずに家を出て、ドォ~ッと流れのままにエライ事になってワヤもエエとこですわ。
首を少し傾けて右手を見たら、カキ色の消毒薬らしいものに赤い血と内出血の赤紫で斑(マダラ)。
中々シュールな景色になってますねぇ。

「主治医の滝川です。後で来ますので病状についてはその時にご説明します。二日間は絶対安静で食事も取れないと思います。」
そこへ「採血しま~す」と看護師、え~、又採血?一体何回するねんな!

さて、落ち着いたのはCCU病棟の208号室、ナースセンターの真正面やそうです。
電線や管で身動きも侭(ママ)ならず、胸の痛みはほとんど無くなったものの全身倦怠食欲皆無。

身包(クル)み剥がれて時計も無いから判らんのですが、2時間毎くらいに採血、血圧測定、心電図を採りに来るんです。
それにしても、何でこんなにしょっ中ちゅう採血するのか?と訊ねたら、心臓の筋肉の壊死が続いているか、止まったかを見てるんやそうです。
特定の酵素が指標となるらしいんですが、「壊死?」それも心臓がてかいな、冗談やないで・・・。

ガラガラと大きな機械を押して主治医がやって来まして、エコーの機械やそうです。
ネームプレートはフィリップ・メディカル。
こういう機械は儲かるんやろなぁ。

入れ替わり立ち代わり人が出入りしてとても眠れる状況や無いんです。
クソしんどいのに発症前後の状況、本人の既往症や家族の病歴と質問の多い事。
それに加えて、何やかやと書類が多いのには呆れますねぇ。

今になって書類の署名漏れや、控えを渡し忘れたてな事をいうて来るんです。
今更どうでもええのとちゃうんかいな?
結局カミさんが昼食に行ったのは16:00を過ぎてましたわ。

別室での病状説明を終えて、主治医とカミさんが病室に帰って来た時は、もう日が落ちてましたね。
いずれ起きられるようになったら私にも説明してくれるそうですが、今はそれどころや無いそうです。

「梗塞を起こした場所も悪いし、発症してからの経過時間が長かったからねぇ・・・。かなり広範囲にダメージを受けてますよ、良く心停止を起こさずにここまで来られましたねぇ。ダメージを受けた心臓の筋肉は脆くなってますので絶対に負担を掛けないようにね。」
「へぇ~、筋肉が脆くなってるんですか?」
「そうです、ま、豆腐みたいな状態ですねぇ。」

心臓が豆腐?!イメージが湧かんなぁ・・・。
しかし脆くなった心臓に負担が掛かると、文字通り心臓が破れる事が有るというから、おそろしいねぇ。
それだけでも充分げっそりしてるのに、非情にもまだ追い討ちを掛けるんですよ。

「今の状態は心臓の大体3割ぐらいが頑張って動いてるんです。もしも今重ねて発作が起きれば致命的な事態になりますねぇ。ま、血液の凝固作用を押さえる点滴をしてるんで多分大丈夫でしょうがねぇ。」

え~っ、嘘でもエエから「絶対に大丈夫!」と言うてや・・・。

面会時間が終わったのでカミさんは帰宅。
左手の指三本(現状で触れるのはこれだけ)を握って「じゃぁね、頑張ってね。」と言って帰って行きました。
う~ん、勿論頑張りたいんやけれど、一体どういう風に頑張ったらエエのやろ?

又、エコーの機械とともに主治医が登場。
ひとしきりあっちこっちにセンサーを当ててたと思ったら「わっ!」いいますねん。
「エッ!何です?」
「胆石見つけましたわ。今まで痛みませんでしたか?」
胆石?まったく自覚症状なかったねぇ。

それはええけど、そんなとこへ寄り道してんと肝心の心臓は大丈夫なんかいな?
「実はもう一個所病変部位があるんですが、一度にはできないので、緊急性の高いところだけを処置してます。」
おやおや、不穏な事を言うてますがな、仕事はキッチリやり仕舞いでお願いしますよ、中途半端は困るなぁ。

ともかく今は右腕がダルイ、ダル痛い。
圧迫止血帯がきつくて、手の平がバンバンに膨れてるんですよ。
そうかいうて、空気圧を少しでも抜いたらすかさず血が吹き出るしねぇ。
動かすと血が止まらん、と脅されてるから位置を変えるわけにもゆかんのです。

3mmほどとはいえ、切ってるんは手首の動脈ですねん。
おまけに、わざわざ血が固まらんような薬を点滴でどんどん入れてるんやから、そら止まりにくいのも尤もでっせ。
終いに手だけや無しに、肩から先が耐えきれん程凝ったというか、ダル痛うなってきました。

手首からのアプローチでもこれやねんから、股の動脈からやったらエライことですやろね。
腕の痛みに加えてひっきりなしの採血と心電図で、常に針を刺されるか何かされているんですよ。
これでは、いかな私でも眠るどころやおませんわ。

2006/05/19
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