私の行きつけの美容院の話しは、今までもよくブログに登場させますが、覚えていらっしゃいますか?少し前も、美容院に用意されたキャンディーボックスの話をしましたね
さて、その美容院。じつはまた、とっても素敵なことがあったので、思わずそのお話をご紹介したいと思います
私はひと月に1回の割合で美容院に行きます。ショートカットで、30代からすでにチラチラ白髪交じりになってきた私にとっては、その頻度がちょうどベストのタイミングなんです
ふた月前のその日、そうです、例のキャンディーボックスの日、ヘアーカラーをしていただいている間、私はHanakoという雑誌を読んでいました
老眼がひどくなるまでは、必ず文庫本を持っていき、カラーの時間はのんびり読書をする、という楽しみがあったのですが、今は老眼鏡なしでは本を読むことなど不可能になりました 特に、茶色っぽいページの上の小さな字なんて、とんでもない・・・それ以来、美容院は「とにかくリラックスする場」として考え、読書も含め真剣に何かをする、ということは諦めたのでした
そんな私のことをよくご存知のスタッフの方々は、比較的活字の大きい、私好みの雑誌を数冊、上手に選んでもってきてくださいます。そんな雑誌の中でも、Hanakoは写真も多く、特集の内容によっては、かなり「そそられる雑誌」で、私のお気に入りです
その日も、シャンプーを済ませた私に、アシスタントの女性がHanakoを持ってきてくれましたいくつかの特集の中に「ソウルのおいしい新店舗」というものがあり、昨年から恒例にしようと企んでいる友人とのソウル行きに、これまたソウルの食事情にはまってしまった主人との、次回のソウルホリデーに、フルに活用できそうな特集だと思い、一生懸命に読み始めました
けれど、記事自体はかろうじて読めますが、米粒の半分以下の大きさの活字で書かれたレストランの場所や住所、連絡先や地図などは全く読めません たとえ名前だけでも覚えようと思いましたが、英語のような聞き慣れた音とは違い、馴染みのない言葉、名前は、なかなかすんなりと頭に入ってきません
そこで、いつも笑顔で、まっすぐに仕事に取り組んでいるアシスタントのお嬢さんに声をかけてみたのです。
「すみません、ここにある雑誌って、新しいものが発売になると、どなたかが持って帰ったりなさらずに、処分されるのかしら?あのね、私、今読んでいるこの雑誌、もし差し支えなかったら、新しい号が出たら、いただいてもいいかしら?」
彼女はすぐにオーナーである私を担当してくださっている美容師さんに確認に向かいました。お答えは・・・
「どうぞ、どうぞ お店に置いておきますから、次回においでになる時でも、おついでの時でも、持っていらしてください」でした。
それからひと月、結局私は、次回のカットの時期までチャンスがなく、雑誌をいただきに行くことはできませんでした。そして半月ほど前、カットに行ったところ・・・
シャンプーをしてくれたアシスタントの女性が、
「南坊さん、この間のHanako、バックルームに置いてありますので、どうぞお帰りの時にお持ちになってくださいね」と声をかけてくれました。
じつは、前回のカットの後、半月ほどは例の記事のことが気にかかり、何とかカットに行くまでに雑誌をいただきに行くことはできないか?と考えていたのですが、そのうちにバタバタとしてしまい、とうとう、オバサンの「遊びの素」のことを忘れてしまっていたのでした そして、美容院に入り、壁にきれいに並んだ雑誌を見た時、はっと思いだしたのでした
仕上げのシャンプーもブローも終わり、いよいよおしまい、という頃になって、さっとさっきのアシスタントの女性がHanakoを手に近づいてきました。私は、自分の姿が映る鏡で、その姿を見ていたのでした。
お嬢さんは、こそこそっとオーナーの耳元で小声で何か話したかと思うと、オーナーもまたこそこそ・・・すると、私が席を立とうとした時には、雑誌は洒落た紙袋に入れら、お嬢さんの手の中にありました
「どうぞ、これ、玄関までお持ちします」
もちろん、その本は買ったものではないのですから、雑誌がむき出しのままでも、ちっとも問題ではありません むしろ、どうぞ!と渡していただけるだけで、十分にありがたいものでした
けれど、オーナーがこそこそっと耳打ちした言葉は、「何か、袋はないの?」であり、また、さっとバックルームに消えた僅かの時間に手持ちの袋をささっと探し、ちょうど良いものを見つけて入れてきたアシスタントのお嬢さんの機転の良さでした・・・私は感動しました
そこで、私は席を立つ時にお礼を言いました
「本当にありがとうございました 私が気ままなお願いをしてしまって・・・でも、本当にうれしいです。どうもありがとうございました」
すると、オーナーは笑顔でこうお応えになりました。
「いえいえ、この子がちゃんと覚えていて、自分でしっかり保管していたんですよ」
そして、笑顔で、「ねっ!」というようにアシスタントのお嬢さんのほうに顔を向けられました
その時のお嬢さんの顔・・・私が、ありがとうと言った時以上に、うれしそうに、そして少し恥ずかしそうに笑顔を見せてくれたのでした
私はこの時、心から「すごいな・・・」と心を動かされました このオーナーの言葉の「深さ」に感激でした
この時、オーナーは、私のお礼の言葉に対して「いえいえ、どうぞどうぞ」とおっしゃるだけで十分だった、ですよね。しかし、この機会をタイムリーにきちんと捉えて、自分の店のスタッフをさりげなく誉め、評価することを忘れませんでした アシスタントのお嬢さんは、お客様の前で自分が評価されたことをとてもうれしく感じたでしょうし、自分の行為が、このようにお客様にも喜ばれ、同時にオーナーにも認めてもらえたことに感激したでしょう
このオーナーは、ご自分にも厳しい方ですから、日頃からお店のスタッフの方々にも、やはり厳しく接していらっしゃることと思います。その甲斐あって、繁華街にあるちょっと名の知れた美容院にありがちな、派手さや華やかさ、妙な馴れ馴れしさなどはなく、十分に「元町にあるオシャレなお店」でありながら、しっかりとした品格の感じられる店なんですね もちろん、品格や雰囲気は、確かな高い技術に裏打ちされていることは言うまでもありませんが・・・
ここでは、部下と上司、師弟関係の話しとして書きましたが、いかがでしょう?この絶妙の言葉かけは、「親子」の間でも、とても意味を成す、重要なことだと思います
どんな子どもでも、やはり評価されること、誉められることはうれしいものです 親や祖父母、先生が誉めてくれた、というだけで、それが次への大きな励みになったり、努力の原動力になったりします こういう連鎖は、大人でも言えることですよね
しかし、単純に誉める、というだけではなく、このように間接的に誉められる、というようなことも、じつはとても効果的、なんですよ
この美容院の話しでもそうですね。このオーナーは、私が帰った後、アシスタントのお嬢さんに「わざわざ覚えてくれていてありがとう!南坊さん、喜んでくださって良かったね」と声をかけるだけでも、きっとそのお嬢さんはうれしかったはずです。誉められて、評価もされたのですから
でも、このオーナーはその方法を選ばず、敢えて私という第3者のいる前で誉められました
きっとこれは、面と向かって直接に誉められる以上に「誇らしい思い」となって、嬉しさは倍増したはずです
「ねえ、パパ、聞いて聞いて 今日はAくんがね、幼稚園で~~できたんだって。すごいでしょう 先生からそのことをお聞きして、私、すごーくうれしかったわー」
「Bちゃん、あのね、昨日お兄ちゃまがね、~~してくれたのよ ママすごく助かっちゃったの。お兄ちゃま、かっこいいわよね」
私もそのうち我が家の娘に「ねえ、パパ 今日ね、ママが私に~~~してくれたの、すごいでしょう 私、ママみたいなお母さんになれればいいなあって、今日は心底思っちゃった」なーんて言ってくれたら、ママ、もっともっとはりきっちゃうんですけどね・・・
さて、その美容院。じつはまた、とっても素敵なことがあったので、思わずそのお話をご紹介したいと思います
私はひと月に1回の割合で美容院に行きます。ショートカットで、30代からすでにチラチラ白髪交じりになってきた私にとっては、その頻度がちょうどベストのタイミングなんです
ふた月前のその日、そうです、例のキャンディーボックスの日、ヘアーカラーをしていただいている間、私はHanakoという雑誌を読んでいました
老眼がひどくなるまでは、必ず文庫本を持っていき、カラーの時間はのんびり読書をする、という楽しみがあったのですが、今は老眼鏡なしでは本を読むことなど不可能になりました 特に、茶色っぽいページの上の小さな字なんて、とんでもない・・・それ以来、美容院は「とにかくリラックスする場」として考え、読書も含め真剣に何かをする、ということは諦めたのでした
そんな私のことをよくご存知のスタッフの方々は、比較的活字の大きい、私好みの雑誌を数冊、上手に選んでもってきてくださいます。そんな雑誌の中でも、Hanakoは写真も多く、特集の内容によっては、かなり「そそられる雑誌」で、私のお気に入りです
その日も、シャンプーを済ませた私に、アシスタントの女性がHanakoを持ってきてくれましたいくつかの特集の中に「ソウルのおいしい新店舗」というものがあり、昨年から恒例にしようと企んでいる友人とのソウル行きに、これまたソウルの食事情にはまってしまった主人との、次回のソウルホリデーに、フルに活用できそうな特集だと思い、一生懸命に読み始めました
けれど、記事自体はかろうじて読めますが、米粒の半分以下の大きさの活字で書かれたレストランの場所や住所、連絡先や地図などは全く読めません たとえ名前だけでも覚えようと思いましたが、英語のような聞き慣れた音とは違い、馴染みのない言葉、名前は、なかなかすんなりと頭に入ってきません
そこで、いつも笑顔で、まっすぐに仕事に取り組んでいるアシスタントのお嬢さんに声をかけてみたのです。
「すみません、ここにある雑誌って、新しいものが発売になると、どなたかが持って帰ったりなさらずに、処分されるのかしら?あのね、私、今読んでいるこの雑誌、もし差し支えなかったら、新しい号が出たら、いただいてもいいかしら?」
彼女はすぐにオーナーである私を担当してくださっている美容師さんに確認に向かいました。お答えは・・・
「どうぞ、どうぞ お店に置いておきますから、次回においでになる時でも、おついでの時でも、持っていらしてください」でした。
それからひと月、結局私は、次回のカットの時期までチャンスがなく、雑誌をいただきに行くことはできませんでした。そして半月ほど前、カットに行ったところ・・・
シャンプーをしてくれたアシスタントの女性が、
「南坊さん、この間のHanako、バックルームに置いてありますので、どうぞお帰りの時にお持ちになってくださいね」と声をかけてくれました。
じつは、前回のカットの後、半月ほどは例の記事のことが気にかかり、何とかカットに行くまでに雑誌をいただきに行くことはできないか?と考えていたのですが、そのうちにバタバタとしてしまい、とうとう、オバサンの「遊びの素」のことを忘れてしまっていたのでした そして、美容院に入り、壁にきれいに並んだ雑誌を見た時、はっと思いだしたのでした
仕上げのシャンプーもブローも終わり、いよいよおしまい、という頃になって、さっとさっきのアシスタントの女性がHanakoを手に近づいてきました。私は、自分の姿が映る鏡で、その姿を見ていたのでした。
お嬢さんは、こそこそっとオーナーの耳元で小声で何か話したかと思うと、オーナーもまたこそこそ・・・すると、私が席を立とうとした時には、雑誌は洒落た紙袋に入れら、お嬢さんの手の中にありました
「どうぞ、これ、玄関までお持ちします」
もちろん、その本は買ったものではないのですから、雑誌がむき出しのままでも、ちっとも問題ではありません むしろ、どうぞ!と渡していただけるだけで、十分にありがたいものでした
けれど、オーナーがこそこそっと耳打ちした言葉は、「何か、袋はないの?」であり、また、さっとバックルームに消えた僅かの時間に手持ちの袋をささっと探し、ちょうど良いものを見つけて入れてきたアシスタントのお嬢さんの機転の良さでした・・・私は感動しました
そこで、私は席を立つ時にお礼を言いました
「本当にありがとうございました 私が気ままなお願いをしてしまって・・・でも、本当にうれしいです。どうもありがとうございました」
すると、オーナーは笑顔でこうお応えになりました。
「いえいえ、この子がちゃんと覚えていて、自分でしっかり保管していたんですよ」
そして、笑顔で、「ねっ!」というようにアシスタントのお嬢さんのほうに顔を向けられました
その時のお嬢さんの顔・・・私が、ありがとうと言った時以上に、うれしそうに、そして少し恥ずかしそうに笑顔を見せてくれたのでした
私はこの時、心から「すごいな・・・」と心を動かされました このオーナーの言葉の「深さ」に感激でした
この時、オーナーは、私のお礼の言葉に対して「いえいえ、どうぞどうぞ」とおっしゃるだけで十分だった、ですよね。しかし、この機会をタイムリーにきちんと捉えて、自分の店のスタッフをさりげなく誉め、評価することを忘れませんでした アシスタントのお嬢さんは、お客様の前で自分が評価されたことをとてもうれしく感じたでしょうし、自分の行為が、このようにお客様にも喜ばれ、同時にオーナーにも認めてもらえたことに感激したでしょう
このオーナーは、ご自分にも厳しい方ですから、日頃からお店のスタッフの方々にも、やはり厳しく接していらっしゃることと思います。その甲斐あって、繁華街にあるちょっと名の知れた美容院にありがちな、派手さや華やかさ、妙な馴れ馴れしさなどはなく、十分に「元町にあるオシャレなお店」でありながら、しっかりとした品格の感じられる店なんですね もちろん、品格や雰囲気は、確かな高い技術に裏打ちされていることは言うまでもありませんが・・・
ここでは、部下と上司、師弟関係の話しとして書きましたが、いかがでしょう?この絶妙の言葉かけは、「親子」の間でも、とても意味を成す、重要なことだと思います
どんな子どもでも、やはり評価されること、誉められることはうれしいものです 親や祖父母、先生が誉めてくれた、というだけで、それが次への大きな励みになったり、努力の原動力になったりします こういう連鎖は、大人でも言えることですよね
しかし、単純に誉める、というだけではなく、このように間接的に誉められる、というようなことも、じつはとても効果的、なんですよ
この美容院の話しでもそうですね。このオーナーは、私が帰った後、アシスタントのお嬢さんに「わざわざ覚えてくれていてありがとう!南坊さん、喜んでくださって良かったね」と声をかけるだけでも、きっとそのお嬢さんはうれしかったはずです。誉められて、評価もされたのですから
でも、このオーナーはその方法を選ばず、敢えて私という第3者のいる前で誉められました
きっとこれは、面と向かって直接に誉められる以上に「誇らしい思い」となって、嬉しさは倍増したはずです
「ねえ、パパ、聞いて聞いて 今日はAくんがね、幼稚園で~~できたんだって。すごいでしょう 先生からそのことをお聞きして、私、すごーくうれしかったわー」
「Bちゃん、あのね、昨日お兄ちゃまがね、~~してくれたのよ ママすごく助かっちゃったの。お兄ちゃま、かっこいいわよね」
私もそのうち我が家の娘に「ねえ、パパ 今日ね、ママが私に~~~してくれたの、すごいでしょう 私、ママみたいなお母さんになれればいいなあって、今日は心底思っちゃった」なーんて言ってくれたら、ママ、もっともっとはりきっちゃうんですけどね・・・