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ルーマニア人の祖先、古代ダチア人の活躍した場所で、ダチア人にちなんで開催される「ダチア・マラソン(Maratonul Dacilor)」。舞台はオラシュティエの山々。ルーマニアの起源と歴史にふれ、先祖の足跡をたどるという雄大なモチーフで、コースは44キロと24キロ、キッズランは3キロ。44キロのマラソンは総高低差2200m。
ここに古代ダチア王国が反映していたのは、紀元前1世紀~紀元後1世紀のころ。金貨を所有し、山の上の要塞に運河をしつらえ、水路を確保していた非常に革新的な遺跡で、ダキア人独特のムルス・ダキクス様式がみられ、そのデチェバルスの防衛システムが残る6か所の要塞群がユネスコの世界遺産に登録されています。
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(主催者のビッグボス、ダニエルもダチア人の装束で)
この世界遺産6か所のうち、4か所の世界遺産をたどるのは、世界中でもこのマラソンだけ!遺跡はいずれも山の高い所にあるので、上り下りは半端ではありません。
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コステシュティ門をスタートして険しい道を駆け上がり、最初に出会うコステシュティ遺跡(世界遺産)は、入場・通過していくのがマラソンルート。
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いったん下り、また登りブリダル遺跡(世界遺産)へ。ここの入り口ゲートに至る最後の登りで熊の足跡発見。熊が活動するのは夜中、気にしない気にしない~。ここはゲート前を折り返し。
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しばらくアップダウンの連続の牧草地帯を走り、人様の広大な庭(=所有動物の放牧地なので木の策で囲まれゲートが設けられている)も通過。
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いったんトゥルサ村(Tarsa)のアスファルト道へ。地元の人々のナチュラル・エイドがうれしい。古代ダチア人にちなんだものを食べる、というのもこのマラソンのコンセプト。子供たちはみんな、前日のキッズ・ランに参加していて「ヒロコ=!」と大声援。
私は本来、アスファルト・ランナー、トレイルも走るけれどまったく得意ではありません。このアスファルトのアップダウンを利用して、女子ランナー2人をかわし、3位に浮上。
舗装道は4キロほど、プリホディシュテ (Prihodiste)の交差点からマラソンルートは右折し土道を下り、超豪華なおもてなしが待っているダチカ・エイドへ。ハーフマラソンは交差点で左折して別ルートへ。ダチカ・エイドは通過せず。
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ダチカ・エイドはまさに、つぎのピアトラ・ロシエ遺跡(=赤い石、の意味。世界遺産)への登り口。上のポスターは、ピアトラ・ロシエ遺跡の想像復元図。古代ダチア人たちは、斜面を切り開いて、このような要塞を築いていたのです。この地に見られない大きな石は、冬の間にそりを利用して運び上げたとか。ここへの登りは容赦なく太陽が照り付け、おりからの熱波到来で非常に暑くて苦戦したところ。しかし苦戦しながらも、前の女子ランナーを一人かわし、2位に浮上。
また長い土道を下り、別方向からプリホディシュテ (Prihodiste)に出て、さらに下りの土道、沢下りのようなせせらぎ沿いに出て、沼地の続く川沿いの道なき道も泥まみれになりながらなんとか通過。橋の向こうから、「ヒロコ=!!」と声援が飛んできたのは、地元で養蜂業を営むデチェバルさんのエイド。毎年、純粋はちみつや養蜂物をふんだんに提供してくださいます。
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橋を越えてエイドへ。「ヒロコ、女子のトップとはそんなに離れていない、勝ちに行くチャンスはあるよ。」と激励を受けるけれど、ここからの9キロのうちの5キロは3日前に自分でコースのマーキングをしたところ。険しさも知っているので、、、、「まだたくさんあるから判らない。」と答えています。実際のところ、攻める気持ちを失い、ほとんど歩いてしまいました。
(この日の優勝者キキ(=愛称)と、9月23日にもう一度顔合わせ予定。走歴5年で伸び盛りの41歳の彼女、私にチャンスは少ないです==。)
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また山道を駆け上がり、いくつか民家を通りすぎ、フェテレ・アルべ遺跡(=白い少女たち、の意味。世界遺産未登録)へ。道の脇に重なった石、古代ダチア人が運び上げ、作り上げたもの。山の斜面を走っているのに、ところどころ切り開かれた平坦地があるのは、古代ダチア人がここに何かを築いていたから。まだまだ発掘調査は進んでいません。
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いったん下り、最後の水エイド。ここからの2キロほどが、古代ダチア人が駆け上がったという急峻なオフロード。四つん這いで登ったほうが安全、という急斜面。本物のオフロードで、道なき道を、マラソンルートのマーキングを頼りに進んでいかなければなりません。ここは、主催者が山中に独自に作ったルートで、マーキングは非常に的確で、道を見失う心配なし。
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そしてフィニッシュは、サルミゼゲトゥーサ(Sarmizegetusa)遺跡(世界遺産)前。西からのローマ帝国の侵攻で滅ぼされた古代ダチア王国の首都。国内外からの観光客も多いので、みんな一緒になってマラソンランナーを迎えてくれます。
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ダチア人の装束でハーフマラソンを走ってきた人。
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完走メダルは、ヨーロッパでは珍しい金色。裏面には古代ダチア人が持っていた金貨のモチーフが刻まれています。これをかけていれば、遺跡内への入場料(大人10レイ)無料というのもうれしいご褒美。
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サルミゼゲトゥーサ都市群遺跡の中には、古代ダチア人の時代から枯れることのない泉が。マラソン後の水分補給は、2000年以上前からから飲まれている湧き水を。
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Sa te hidratezi la final chiar din izvorul dacilor. Acest izvor nu a secat niciodata.
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マラソン女子のトップ3。1位(=キキ、中央)・2位(=ワタクシ、マドモワゼル)は昨年より順位変わらず保持。3位には、昨年ハーフマラソンで入賞していたドリナ。この軽装で、44キロを走ってきました、リュックもボトルポーチも持たず。
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嬉しい表彰式。マラソン男子総合優勝は、台湾在住のルーマニア人ランナー、台湾のマラソンTシャツを着ています、後列中央。
ルーマニアのラン仲間作成のルートマップ(動画)はこちらから。
https://www.relive.cc/view/1153511079
以下の写真は、サルミゼゲトゥーサ都市群遺跡から。追って、行き方などご紹介。
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