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先週も雪が降り、今少し春は遠そうなルーマニアですが、3月を迎えた最初の日、春の訪れを祝う「マルティショール(Martişor)」というお祭りがあります。愛と幸福と健康を祈って、男性から女性へ、赤と白のリボン(紐)に飾られた小さなチャームを贈るのがこの日の習慣。
赤と白はルーマニアの伝統の中で、季節を表す色。白は冬、赤は春。長く厳しい冬が終わり、春の訪れをもたらすのがこの2色の組み合わせ。マルティショールの小さなアクセサリーには、必ずこの2色のリボンが添えられます。
そしてルーマニアの田舎に残るマルティショールの言い伝えとは。まだまだ雪の残る3月の山村で、3月の最初の日に娘たちは、手首に紅白のリボンを付けて野山に出ていきます。これから春の訪れとともに芽吹き始めるであろう木々の枝に、自分の手首のリボンを巻き残します。そして、そのリボンを最初に見つけた若者と結ばれるというのです。
マルティショールの日に贈られるチャームを、3月8日の女性の日まで1週間ほど身につけ、そのあとリボンを木々の枝に結び付ける習慣もあります。都会ではその風習はあまり見られなくなったけれど、これも春の訪れを祝い、来る年の幸せと健康を祈りながら。
長く厳しい冬を過ごしてきて、春を待ちこがれるルーマニアの風習です。
マルティショール関連記事:
この日によく贈られる花は、ギオチェル(ghiocel、英語名スノードロップ、日本語名待雪草)、ブログ内の記事はこちらから。
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