ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

ブカレスト・シティ・マラソン(開催編)

2010-10-17 | 海外&ルーマニア・マラソン大会

 
第3回目の開催となったブカレストマラソン、雨予報の週末。今年の秋、いつもに増して雨が多いルーマニア。前日受け付けは予想通り冷たい雨の中。すべての種目で当日の朝までエントリー受け付けているので、雨模様だと最終エントリーする人が少なくなってしまいます。
 
今年は前回に比べて60%増の参加者を見込んでいます。全体で5000人の予想(by 『ALERG』=走る、という題名の雑誌の記者さん、『ALERG』というと日本では『ランナーズ』かな?) それはちょっとそれは無いだろうと思っていたけれど、雨の上がった国民の館前、マラソン会場はほぼ見通しがきかないほど人で賑わっています。
 


このマラソンを熱意を持って主催してくださるのは、ヴァレリアさん(長身のかた)。ロスアンジェルス五輪のゴールドメダリスト。ロス五輪といえば1984年、チャウシエスクの政権下。共産主義に飽き足らず、五輪後、アメリカに亡命。彼女のオリンピックカヌー競技金メダルの記録は、その後共産主義崩壊まで、ルーマニアスポーツ史上から抹消されていたといいます。
 


現役引退後のヴァレリアさんはアメリカのジョギングブームを見て、自らも市民ランナーとしてアメリカやヨーロッパ各地のマラソン大会に参加。各国でフルマラソンを何度も完走。その経験から「走ることはすべてのスポーツの基本。ルーマニアに走ることを根付かせよう。」とルーマニアに立ち戻り、首都開催の市民マラソンを実現させました。
 

(ブカレストシティマラソンのインフォメーションコーナー。いすに腰掛けておられるのは、以前のブカレストマラソンの主催者。いまは陸上競技連盟の顧問。)

1990年代の初め頃まで、10年続いたブカレストマラソンがありました。でもこれは、エリート中心のルーマニア選手権。アマチュアがこぞって参加するようなものではなく、市民ランナーという概念も無かった時代。すでにエリート養成されていて、アメリカに活動の拠点を移す前のリディア・シモンも何度か走っている大会です。
 
新生、ブカレスト・シティ・マラソンは第1回大会からAIMS(国際マラソン&ロードレース連盟)の公認をとり、AIMSの企画にのっとった国際規格のマラソン大会として開催。ケニアからの招待選手が初代王者となり、彼が持ち帰った優勝賞金は5000ユーロ。


(第1回大会のときの記念撮影)

このときは日本のTOYOTAがメインスポンサー、国民の館前に大きな「TOYOTA」の横断幕が張られ、日本人として参加の私はとても晴れがましい気分でした。天候にも恵まれ、大成功に終わったブカレストマラソン。「来年もぜひ続けてください!」とあちこちから声が上がっていました。・・・このときは、「単発」なのか「第1回」なのか、誰もわからなかったのです。
 
そんななか、同じ秋(2008年)に世界同時不況が巻き起こり、もともと経済基盤のしっかりしていないルーマニアはガタガタに。同時に日本のトヨタも不況に巻き込まれ、アメリカでのリコール問題などもありスポンサー撤退。第2回からはRaiffeisen Bankがメインスポンサーとなり開催。実はヴァレリアさんのご主人がこの銀行のVIP。何はともあれ、マラソン大会開催続行、ありがたいことです。
 
そのヴァレリアさんが「Bucharest Running Club」(クラブ、と名称がついているけれど、走友会ではなく団体名称)として主催してくださるのは、このブカレストシティマラソンのほかに、春に「森林クロス」(参加費が緑を守るためのチャリティーになる)、9月に「出会いのクロス」(オリンピアードがずらり顔見世してくれる、日本で言うところのオリンピック・デーランみたいな感じ)、そして黒海沿岸ママイアでの10キロレース。この10キロは、マラソンを走るための準備レースとしましょう、という意味合いだけれど、マラソンを走るためにはハーフのレースが最適かな~。
 
そして今回の第3回大会。初回大会は100名ほどの参加者だったフルマラソンも300名を越えるエントリー、ほかにハーフマラソン・42キロ駅伝・4キロファンラン・1キロキッズランと種目も多いので、会場は賑わっています。
 


2008年にルーマニア初の市民ランナーのクラブとして発足した「RO CLUB MARATON」もメンバー数160名を超え、お揃いのTシャツで大集合。私は日本支部として、日の丸ワッペンを追加。ヴァレリアさんは「RO CLUB MARATON」の名誉会員でもあります(現在、名誉会員2名中の1名)。


(クラブのブースを訪問してくださるヴァレリアさん。座っているのはビクター、副会長。後で立っているのがシェルバン、我らが会長。)


(マラソン先進国、日本からやって来た私のことも覚えてくださっています。レース途中でも名前を呼んで応援してくださったほど。昨年は、ママイアでのマラソン大会の後、ブカレストまでご主人の運転するランド・ローバーに乗せていただきました!!こんなVIPとお近づきになれるのもルーマニアならでは。)


(マラソンのフィニッシュ地点で、ランナーを迎えるヴァレリアさん。ランナーは3時間7分でフィニッシュしたガビィ・ソロモン、ROクラブの期待の星。6月のストックホルムで2時間52分、軽がるサブスリー。)


(この長身のかたもフィニッシャー。ヴァレリアさんのご主人。昨年はカメラを携えフォトグラファーに徹しておられましたが、今年は胸に完走メダル!その横は駅伝で4位入賞、ステファン。私もマラソンで年代別優勝、賞品が詰まった袋を持っています。)


(表彰式のステージから下りてこられたヴァレリアさんとも、記念撮影)
 
今大会結果、フルマラソンの完走者301名。ハーフ完走者506名、フルマラソンの距離を4人でつなぐ駅伝には101チームが参加。車椅子の部もあり、2名が参加&完走。AIMS公認の国際大会としてはまだまだ少人数だけれど、第1回大会のときはフルの完走者は100名ほど。3年目にして3倍増。


 
少人数だけれど小規模とは言わせません、ケニア他からの外国招待選手も豊富で、その信じがたいスピードを目のあたりに見ることが出来ます。世界にはすごいランナーがいるものだなあ~、刺激剤を肌で感じながら、自分達の身体&脚を動かすことが第一。みずからの健康のために。
 


ヴァレリアさんの願う、走ることは着実にルーマニアでブームになりつつあります。
Vrei să te menţii în formă? Hai la maraton!

@Bucureşţi


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