ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

混沌の一途をたどるルーマニア

2010-10-16 | ルーマニア・ブカレストの日常
毎日のようにテレビのニュースから流れてくるのは、抗議集会の様子。ブカレストではほとんど毎日、どこかでいくつかのグループが、またはいくつかの団体が抗議集会を開いています。
 
無理もないです、この夏からの経済政策で公務員の基本給与が25%カット。さらに各種手当がカットされ、首都警察の警察官であるマイダーリンですら、手取り40%減。国民の館美術館に勤めているこちらの弟クンは手取り50%減。最高にカットされた人は、なんと60%減。こんなの、ありえるでしょうか?
 
地方都市でももちろん同様、教職員・警察官を含む公務員の抗議集会やデモが相次いでいます。とある都市の学校の先生、勤続32年のキャリアを誇るにもかかわらず、この経済政策でお給料は1000レイ(約27,000円)に。「子供もいるのにどうやって食べて行けというの。」、その訴えは切実です。もともと教員のお給料は低く抑えられていたのに。
 
「どうやって食べていくか。」~その切実さの中で、ハンガリーとの国境に近いルーマニア西部の都市アラドからは、警察官が収賄で逮捕されたとのニュース(10/15)。その数一挙に10人。道路交通を取り締まる警察官たちに監視カメラが仕掛けられ、スピード違反などをしたドライバーから検挙のがれとして200レイ、20~50ユーロを受け取っていたというもの。
 
国境近い国道、長距離ドライバーの財布から紙幣が取り出され、警察官に渡されるところを捕らえた監視カメラの映像とともに、このニュースが流れてきました。警察官も食べていくことに必死なのです。でも、これで失職は間違いなし。
 
が、こんなニュースが流れるたびに、国民の警察官に対する信頼は失われていきます。同じ番組によると、EU諸国の警察官に対する信頼度は57%という平均値が出ているなか、ルーマニアでは30%。「警察官なんて、大嫌いだ、権威をカサに着て、私服を肥やしていく。」と言い切る人も多いです。
 
曲がったことや人を利用することが大嫌いなマイダーリンも警察官ですが、「だから僕は昇進なんかしたくない。上に上がるには付け届けも必要だし、上がったら上がったで、制服をカサに着ている連中ばかりだ。」としかめ面。内部でもこんな状況。
 
そんな警察官にも、抗議の権利が認められています。警察官にもいくつかの労働組合はあるし、労働組合ごとに抗議集会を開いています。同じように給料カットの憂き目にあっている軍隊と機動隊には、抗議の権利なし。抗議集会すら開くことが出来ないのです。
 
首相のボック氏は対外的には「ルーマニアではすべてがうまく行っている。ルーマニアの将来は明るい。」と豪語。マイダーリンはこれを聞いて大笑い。さらに冬になり暖房費が倍以上に値上がるので、そのうちみんなの不満が爆発するのではないかと、ダーリンの予想。とにかく混沌の一途をたどるこの秋のルーマニアです。

@Bucureşţi


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