ホラー映画と思っていたら、ホラー・テイストのミステリーであった。
存在感の薄い人間が自分の存在意義をどこに見つけるか、という自己啓発的テーマがこういう出来事にもなりうる。という意味で面白く見ることができた。
ヒロインは双子で、共に先天的な病気のために徐々に視力を失う運命にある。先に視力を失った姉の自殺が物語の発端である。本当に自殺なのか、そうでないのか?そこに犯人らしき男の影がちらつくのだが、影の薄い人間は誰にも意識されない。
見えない人間とヒロインの失われていく視力が絡み合った複雑な事件の真相が、徐々に解きほぐされていく。
「サイコ」や「暗くなるまで待って」のテイストが溶け合った上質のスペイン産ミステリーだ。製作者であるギレルモ・デル・トロの名前を前面に出したプロモーションで、彼のファン層にアピールしている。