精緻に組み立てられた群像劇の傑作。「アメリカを描く」とはこういうことなのだろうなと思わせる。
人間は複雑な生き物だ。マクベスの魔女の台詞を借りれば「良いは悪いで、悪いは良い」、これが人間だ。登場人物はいずれも善人、悪人で割り切れる存在としては描かれていない。
丸一日の物語が、多くの国籍をもつ多彩な登場人物のモザイク模様として描かれる。それはメビウスの輪のように、ストレートではないが閉じていて、どこかで誰かとつながっている。
現代の孤独な人間がつながり=コミュニケーションを求める、そのためのぶつかり合いが「クラッシュ」というタイトルになっている。が、一般的に使われる「車の衝突」の意味も、なるほどという形でラストに出てきて、思わずニヤリとしてしまった。
三谷幸喜監督が「THE有頂天ホテル」完成のおり、劇場公開時のライバルは「ミュンヘン」と冗談半分でコメントしていたが、同じ群像劇としての真のライバルは本作の方だろう。テイストが違うので好みは分かれるだろうが・・・・。
アカデミー賞の発表が楽しみである。
人間は複雑な生き物だ。マクベスの魔女の台詞を借りれば「良いは悪いで、悪いは良い」、これが人間だ。登場人物はいずれも善人、悪人で割り切れる存在としては描かれていない。
丸一日の物語が、多くの国籍をもつ多彩な登場人物のモザイク模様として描かれる。それはメビウスの輪のように、ストレートではないが閉じていて、どこかで誰かとつながっている。
現代の孤独な人間がつながり=コミュニケーションを求める、そのためのぶつかり合いが「クラッシュ」というタイトルになっている。が、一般的に使われる「車の衝突」の意味も、なるほどという形でラストに出てきて、思わずニヤリとしてしまった。
三谷幸喜監督が「THE有頂天ホテル」完成のおり、劇場公開時のライバルは「ミュンヘン」と冗談半分でコメントしていたが、同じ群像劇としての真のライバルは本作の方だろう。テイストが違うので好みは分かれるだろうが・・・・。
アカデミー賞の発表が楽しみである。