主要登場人物3人、上映時間75分の簡素なスタイルながら、心を揺さぶる北欧発の秀作。
フィンランド寒村の牧師館が舞台。他に人が住んでいるのかどうか分からないような過疎の村だ。そこに郵便配達夫は毎日のようにやってくる。年老いた牧師の生存確認も兼ねているかのようだ。
盲目の牧師の元へ、恩赦で釈放された女囚が補助を請われてやってくる。彼女の心のすさみ様も凄い。そこからスタートする危うい日常に、牧師に救いを求めて毎日届いていた手紙が・・・。
北欧の寒気の中に一条の光が射すまでをじっくり描くような作品だ。救っているものが実は救われていることもある。それぞれの「気づき」が描かれる。