ドラマの南極大陸の視聴率が急降下して、1話目の22パーセントから5話目にて13パーセントまで下がったそうです。
近年のテレビ離れ、ドラマ離れの状況ならば13パーセントでもまあまあの数字なのですが、このドラマは木村拓哉の主演で、脇役にも視聴率女優の綾瀬はるか、今をときめく芦田愛菜ちゃんや、堺雅人、柴田恭平、香川照之、寺島進などの超演技派をそろえ、撮影、ロケやセットなどにも半端ではないお金をかけていることから、この数字では歴史的大惨敗の数字になるのでしょう。
とはいえ、私自身に関してはそれほどつまらないとは思わない、むしろ今クール評価の高い「家政婦のミタ。」がつまらないと思う、40代を迎えて世間の面白いものと自分が面白いと思うものがずれてきたのかなぁ~。
木村拓哉の演技が酷評されているが、私は近年の「総理大臣」や「会社社長」などより、今回の副隊長のような2番手の位置にいるときの木村拓哉の演技はいきいきしているように感じている。
ただ脚本はひどいかなぁ~。あまりにも日本的というか・・・・。
隊員にせっかく豪華なキャストをそろえているのに、誰にも感情移入できない。バックボーンをもう少し丁寧に描いてもいいのではないかなぁ~。
木村拓哉と堺雅人の過去の遭難のエピソードは、ハリウッドの映画などではまず出てこない日本的な話の作り方で、ピンチに陥ったときにこれをはさむことで視聴者に感情移入させたいのだろうけど、その多くは失敗し、緊迫した場面がしらけてしまう。
私も仕事中やその他の時に死にそうになったことが何度かある。冷凍庫に不注意で閉じ込められた時。猛吹雪の時、山奥で車が埋り、携帯も通じずガソリンも少なかった時など。
その時私は、ボロボロと涙を流しながら必死に状況を解決しようと頑張り、また助けを求めていた・・・・。
両親や家族のことを考えることは、意外となかったし、ましてや過去の友情のことを考えることはまったくなかった。
「ホワイトアウト」などで、自分や周りの人間の命が危ないのに、過去の彼氏や友人の話がでてきて笑ってしまったことがある。このあたりの演出は実はハリウッド映画には全く無い。当時は拳銃をもって人が歩いている国との違いを思ったけど、最近の「踊る・・」や「交渉人」や「アンフェア」や「SP」などの映画では、こういう演出は無くなっていたのでやはり脚本の技術なのだろう。
唐突にでてくる綾瀬はるかの場面も×。
視聴率俳優の彼女をどうしても出したいのだろうけど、南極での緊張感が実は失速している。出すならドラマの最初か最後だろう。
ではどうすれば良かったか・・・・・。せっかく豪華なキャストをそろえていて、映画と違い10回もあるのだから、序盤は一人一人が準主役になる回などをつくっていく「医龍2」や「BOSS1」などの話の作り方をすればよかったんじゃないかなぁ~。医龍やボスは漫画だから極端だけど・・・・・。
「何かをやるか、問題がおこる。」→「うまくいかない。」→「一人のキャストのバックボーンのエピソードを挟む。」→「いよいよ問題が大ピンチになる。短気なものが暴れ、へたれのでぶが弱音をはき、皮肉屋が皮肉をいう」→「木村拓哉の助言などでそのキャストが活躍。」→「みんなで協力して解決。」という流れね(笑)
ベタだが、犬を置き去りにするまで南極という閉鎖されたところで話をすすめなければならないから仕方がない。当時は死ぬ覚悟でおそらく南極に来たのだからそれなりのバックボーンが皆にあり、また11人しかいないのだから、その人にしかできないようなスペシャリティーもあるのだろう。面白くできそうだが・・・・。(もう手遅れか(笑))
そうでなければ、思いっきりHNKのドキュメント風に南極の気候、当時の隊員の苦労などをまじめにやるか・・・。
この脚本家・・・クローズドラマ、またアクションという要素では期待できない・・・犬を置き去りにしてからのドラマ期待するしかないのか?面白くなるのかなぁ~。