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教師の劇団「創芸」公演ー星の館

2014-08-04 23:53:53 | 文化・芸術・映画

教師の劇団「創芸」の星の館を観てきました。期待通りのストーリーとプロに負けない演出。普段は学校の先生とは思えない素晴らしい演劇を鑑賞で来てうれしさでいっぱいです。

誰が主役とは言えないのですが、東京の職場をやめておじさんの経営する民宿「星の館」で悩める若者「佐伯隆」と恋人役の「中沢かずみ」役の二人

主な芝居の場所は遠野市宮守、福島県飯館村

主な配役とチラシです。

山仕事の林業を営む「和田幸吉」役を演じた足立区の元教師ー野中道弘先生と記念撮影してきました。

ネタバレしない程度に本当にある岩手県遠野市の「星の館」経営者の糠盛正幸さんのコメントを紹介しておきます。

自然の中で自給自足の農的暑らしをしたいと、13年前、愛知県西尾市から岩手県宮守村(当時)に移り住んだ。自給が主な目的とはいえ、約80アールの田んぼ(畦や未利用地含む)と50アールの畑を持つ、農地法で認められた「農家」である。
 2011年3月11日の大津波で大きな被害を受けた三陸沿岸の岩手県山田町に生まれ、中学時代を釜石市、高校時代を花巻市で過ごしたが、母方は山田町で仮設住宅、父方は釜石で5人が亡くなっていて風化させてはいけない記憶になっている。

 啄木、光太郎、賢治などに白引かれていた私は、なかでも賢治の言葉を身を持って確かめたい気持ちなどもあって、農的世界に向かってみた。賢治の「都人よ、来ってわれらに交じれ・・・」との呼びかけに応えるかのように。元高校教師の私が、定年を待たすに退職を決意したのは、教育活動を精いっぱいやった充実感とともに、昼夜分かたすの教師生活を振り返り、「このへんで自ハ刀の時間を持ちたい」と思ったからでもあった。

 賢治は、農は総合的な芸術だという意味のことを言っているが、やってみて納得した。自然全体を見て、いつどこに何を植えるか、どんな作業するか考える。少しでも田んぼや畑を美しくしたいと美意識が出てくるし、もっと良くしたいと工夫も生まれる。
 賢治の「農民芸術概論綱要」には、もっと深い農の「総合的芸術」についての本質を「農民」の立場にたった芸術論として述べている。農作業の大変さはあるが、自ら求めてする作業なので、熱中して飽きることがない。

農という仕事の奥深さを感じる毎日だ。 築百年以上、百坪もある古民家で、広い、伝統的な民家だから、希望する人には気軽に泊まってもらおうと大改修。星空の美しさから「星の宿」と名付け素泊まり民宿にした。
 暮らしてみれば、離農せざるを得ない農家の例など、厳しい現実も目の当たりにする。今、宮守の土日はSLの汽笛が鳴り響き、アマチュアカメラマン達が群がっている。震災からの復興支援として計画されたものなのだが、宮守の山野にSLの汽笛の響きはよく似合う。南米ヂリの歌に「平和に生きる権利」というのがあった。

人災である福島の原発事故はその権利を踏みにじるものだ。原発は未完成の技術で、このまま進めてはいけない。美しい山野を追われた人々の気持ちを思うにつけ、本当に理不尽な事だと思う。福島だけでなく、日本中の山野に、自然に、SLの汽笛の冒きはよく似合う。大切にしたいものだ。

 私の好きな賢治の言葉がある。
 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。この気持ちを忘れたくない。 (遠野市宮守町『星の宿』経営者)


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