天敵に完敗の赤っ恥
27日、開かれた「戦争法案」を審議する衆院特別委員会。
午後の質疑では先週の党首討論で安倍首相から「ポツダム宣言を読んでいない」とビックリ仰天の答弁を引き出した共産党の志位和夫委員長が登場。「後方支援(兵站)」や、自衛隊の武器使用をめぐる法案のデタラメについて攻められた安倍首相は、まともに答えられず、タジタジだった。
志位委員長はまず、自衛隊が「後方支援」中に攻撃され、応戦する可能性についてただし、これが憲法に違反する「戦闘行為」に当たるのではないかと迫った.
これに対し、首相は「『任務遂行型』ではなく『自己保存型』の武器使用であり、(攻撃された場合は)ただちに退避する」と答弁したが、志位委員長は武器使用の定義や概念は国際法上、存在しないと畳み掛け、安倍首相がいう「自己保存型」であっても、明確な憲法違反と指摘。その時、安倍首相は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「安倍首相が説明した『自己保存型』の武器使用は、自己防衛のための必要最小限度の使用であり、憲法違反ではない、という91年の政府見解を引用したものです。しかし、自衛隊がイラク復興支援の際に携行した武器は、84ミリ無反動砲や12.7ミリ重機関銃。非戦闘地域の派遣でさえ、この重装備なのです。
今度の法案はドンパチ最中の米軍の兵站(へいたん)を担う可能性もあるから、もっと重装備になるでしょう。攻撃されれば、当然、自衛隊は反撃する。りっぱな戦闘行為です。(防衛省担当記者) 天敵の志位委員長に急所を突かれ、一方的に攻め込まれた安倍首祖は終始、仏頂面。目を泳がせながら「つまり」「つまり」を連発。
法案の欠陥次々バクロ
さらに多国籍軍の兵站を担う自衛隊が勝手に「退避」できるのかを問われた安倍首相は、「(自衛隊は多国籍軍の)指揮下に入らない」と胸を張ったが、志位委員長は呆れた様子で「兵站が(多国籍)部隊の指揮下に入るのは(軍事の)常識だ」とピシャリ。
米海兵隊が兵站について「武力行使と一体不可分の中心構成要素」と位置付けていることも挙げて、答弁の非常識ぶりを厳しく指弾すると、安倍首相はシュンとした表情だった。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう言う。
「一言で言って安倍首相の答弁はメチャクチャでした。つまり、軍事のリアリティーを知らな過ぎる。与党協議が結論ありきだったから、こういう答弁になる。現場の自衛隊員も『オイオイこんな常識も知らないのか』と呆れていますよ。おそらく安倍首相の答弁は今後もボロが次々と出てくる。8月の法案成立なんて絶対ムリですよ」
安倍首相が志位委員長に、グウの音も出ないほど追い詰められる日は近い。