●苔玉ごろごろ、だから苔想●●【道草めも】

~苔玉【Moss ball】という、緑の地球。野想系~

●叶わぬ恋の化身、女郎花。

2007年08月12日 | 番外編<その他>

すぐ近くになのに、
長いこと行ってなかった「松花堂」(しょうかどう)

松花堂昭乗、ゆかりの地にある庭園・美術館です。
松花堂弁当ぐらいしか、その名を知らないのですが。

暑くて人も少ないかなと思い、ふらりと。
竹と椿が多い庭園です。
西の片隅にある「女郎花塚」から。



■「女郎花塚(おみなえしづか)」
こんなお話があるのです。

時は平安時代。

この辺りに住む小野頼風と深い仲となった都の女性が
男の足が遠のいたのを悲しみ
この地を訪れてみると、男はすでに他の女と暮らしておりました。

悲観のあまり泪川に身を投げ
やがて脱ぎ捨てた山吹重ねの衣の跡から咲いたのが「女郎花」

男がこの花の元に寄ると
花は、恨んだ風情をたたえながら嫌うようになびきます。
それを見た男は、自責の念にかられ
同じように川に身を投げてしまうのです。

人々はこれを哀れみ、二人の塚を築きました。

二人の霊は冥土で邪鬼に責められ
女は剣山の頂きで日々を送り
男は山を登ろうとしたが、剣の刃で身を
刺し通され、磐石で骨を砕かれるという地獄をさまよいます。 
 
この二人の亡霊がこの塚から現れて旅僧に回向を乞い
そのおかげで結ばれた、という物語です。

                   謡曲「女郎花」




ちょうどその花が咲いていました。
細身のさびしげな姿。
そんなに怨念がこもっているようには
とても見えません。







【女郎花】(オミナエシ) オミナエシ科
秋の七草のひとつ。
どうしてこの花にそんな哀しい物語が綴られたのか。





恋に死ぬ二人の情念が燃えさかるような炎暑。

が、わたしはそんな思いにひたるどころでは
ありませんでした。

ただただ、薮蚊を追い払うのに
忙しくしておりました。






明日も、松花堂、続きます。
(写真500枚も撮りました‥)




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12 コメント

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500枚~!!! (kuriko)
2007-08-12 14:07:00
暑いさなかに500枚ですか。
先日友人と出かけて、写真もたいして撮れなかったしと思いましたが、300枚撮ってました~

女郎花、そんなお話があったんですね~
返信する
こころに秋風・・・ (ダーマ)
2007-08-12 14:15:13
お話を紹介して下さってありがとうございます。

悲しく辛いお話ですが、こんどオミナエシの花を見たら、きっと今までと違った見方が出来そうな気がしますし、たぶんこの花を見るたびに悲しい物語を思い出しそうです。
現存する塚に、こうした物語が言い伝えられていることはすばらしいですね。そして、こうした物語が、あちらこちらで、ずっと語り継がれていって欲しい、としみじみ思いました。

ちなみに、オトコエシにも、物語があるのだろうか!?

お留守番お盆休み、どうぞのんびりリラックスして下さいませ。

返信する
Unknown (おばちゃん)
2007-08-12 16:17:01
平安時代に 女に産まれたら 最悪!
現代で 良かったよ ヽ(^o^)丿


返信する
女郎花 ()
2007-08-12 16:19:57
松花堂は今年の春にも行ってきました。
吉兆さんのお弁当が楽しみ。
女郎花塚、そう言えばありましたねえ
そういう物語があったのですね。
折角行ったのに、よくよく見なければいけませんね。
女郎花が咲いていると演出効果満点、物言わぬ塚に
女郎花の黄色い花がこぼれる散る涙のようです

松花堂庭園の夏はどんな状態なのでしょう。
明日のも楽しみです。
返信する
女郎花 (かのこ)
2007-08-12 16:40:21
るなさん今日は。
女郎花のお話
初めて聞きました。
そんな物語が・・
それでなのでしょうか
他の男を寄せつかせないように
香りは酷いですね~。
そういう意味では飾りたくないお花です。

松花堂弁当食べたいです。
返信する
るなさんーこんにちは (guuchan)
2007-08-12 21:11:17
 るなさんの写真青味がかっている凄さがありますね。
 最初の写真など黄色が際立って見えます。
 
 我が家のオミナエシ、黄色がもっと柔らかく印象が薄かったです。

 謡曲「女郎花」、たわいないと言えばそれまでですが、謡曲となるとまた別です。
 物語はいつの時代に生まれたのでしょう。
 さすが京都ですね。
 
 一日に500枚は、流石にまだないように思います。
 鋭い写真が多いのも、選り抜きだからでしょうね。
 う~ん。
 
 
返信する
女郎花 (KY)
2007-08-12 21:33:39
オミナエシって漢字はこういうのだったのですね。また色々勉強になりました。
お花の所以も分かったし、松花堂昭乗の松花堂弁当も…。
また明日も楽しみにしています。
写真500枚は整理するのが大変ですね。
返信する
思わず (suchan)
2007-08-13 00:13:16
いろいろな逸話フッフ~ンと頂いた後、ルナさんパパさん帰省されてお留守番中…。いつもオシドリご夫婦やからルナさんパパ不在で思わず寂しいのかしら~~って考えてしまいました。毎日激猛暑夜不眠です。オオミナエシにちょっぴり寒む~~い
返信する
オミナエシ (スターアニス)
2007-08-13 08:22:21
女郎花(おみなえし)に、そんな儚い悲しい恋物語があったとは・・・・。「おみなえし」「女郎」が少し気になっていたのですが・・・。
500枚からの選択。サスガというかヤハリというか・・・。整理するだけても大変だぁ!
返信する
(~/~) (るな)
2007-08-16 19:58:51
kurikoさんへ
たまにしか写真撮れないので、撮るときは根性入れて撮ります~、
なんて。
ひたすら、あ、ええなぁと思うものを見ると撮り溜めする性格です。
あとで整理するのに四苦八苦するのにね。
女郎花という字が、なにやら怪しいと思っていたのですが、
やっぱり裏がありました。

ダーマさんへ
ほんとうに辛いお話です。
妙に具体的な部分があって、作り話だと言い切れないような
気もするし。
小野頼風という男性、実在しないらしいのですが。

謡曲、不案内なので、今まで知ることがなかった世界です。
ブログのおかげで、通り過ぎずにすみました。

オトコエシも何かいわれがあるのでしょうか。
(男塚と呼ばれる塚は少し離れた所にあるそうです)
 



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ブログを始めたのは糖尿病で目が不自由な愛犬「ルナ」がキッカケ。ハンドルネームは同じく「るな」です。趣味は苔玉づくり。つくりすぎて家の外も中も苔玉ごろごろ。植物名を覚えるのがもっかの目標です。
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